内容説明
国立国際美術館「宮永愛子 なかそら‐空中空‐」公式カタログ。詩的想像力と科学的な探究心をあわせもつ、宮永愛子初作品集。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tera。
21
とにかく装丁が美しい。宮永愛子氏の作品を初めて見たのは、二年前の『「LADY DIOR AS SEEN BY」展』での事だった。ナフタリンで出来ているDiorのバックとチャームが印象的で、時間と共に変化すると説明にあったので、もう一度見たかったのに見逃してしまい、気になっていたのだった。作品は見る側の気持ちによって見え方が変化すると言われるけれど、昇華するナフタリンで出来た作品は、その物が変化するのだから、出会ったその時その時が本当に一期一会なのだ。それらの一瞬を記録しているという点でも魅力的な一冊だ。2014/08/07
こはね
5
展示を見逃したので、行ったことを考えると、妥当な価格だと思い購入。そもそもナフタリンというものが何なのか知らなかったけれど、変わった物質みたい。これはおもしろい。残らない作品、というのもすごいなぁと思う。読んでるうちに字が裏返った気がした。白、黒、青、ひかりとやみ、塩、音、葉っぱ、何とも言えず心惹かれるものがたくさんあって好き。直接見れなかったのが悔やまれる。2013/04/10
ニシコ
0
"かたちは人為的に消滅させられるのでもなければ、出現させられるものでもない。”かたちをほぐし、紡ぎ直す”彼女の優しい手が、そっと世界の本質に触れているという,"2014/01/29
リンゴ姫
0
装丁に魅了され借りた。冷たい世界、硝子に凍てついたような結晶と作品が閉じ込められている。作品は日常的なものがモチーフだ、時計、傘、椅子、靴、服。しかしこれらはすべてナフタリンでつくられたという。ナフタリンって防虫剤の!?あんなので作品つくれるの!?と驚き。作品は時間経過によってその形が崩れていき、最後には跡形もなくなる。しかしそれは結晶へと姿を変えただけで硝子の中に閉じ込められ続けている。時間と共に失われゆく世界と崩れていく世界。冷たすぎるその世界は無機質でもあるが日常品がモチーフになっているという不思議2013/07/31