内容説明
夢の国“ポヤイス国”へようこそ!19世紀初頭、中米に架空の国をでっちあげ、土地を売った希代の詐欺師がいた!史上初めて、架空国の国債がロンドン証券取引所に上場された。嘘のようなホントの話。
目次
第1部 はるかなる国(約束の地;英雄の帰還;金がものをいう;世紀の大売り出し;ブラック・ラグーン)
第2部 兵士の物語(高地の行軍;革命家;軍事作戦;理由なき反抗;ポヤイスへの道)
第3部 混沌(死の海岸;遁走;悪いやつら;帰国;小説より奇なり)
補遺 マグレガーの主張
著者等紹介
シンクレア,デイヴィッド[シンクレア,デイヴィッド][Sinclair,David]
1945年イングランド、ノーサンバーランド州生まれのジャーナリスト、ノンフィクション作家。地方紙の使い走りからジャーナリストとしての道を歩み始め、その後、メイル・オン・サンデイ、サンデイ・エクスプレス、ザ・タイムズ、サンデイ・タイムズなどイギリスの主要新聞各紙で編集部の要職を務める。そのかたわら、伝記や歴史、社会、経済関係の本を執筆
金原瑞人[カネハラミズヒト]
1954年岡山市生まれ。翻訳家・法政大学教授
石田文子[イシダフミコ]
大阪大学人間科学部卒業。英米文芸作品翻訳家・立命館大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
36
上映中の韓国映画『キム・ソンダル 大河を売った詐欺師たち』は民を清に売りさばく権力者達を懲らしめるために、誰のものでもない大河を売る義賊の痛快な物話だ。だが、本編の主人公は義賊ではない。あくまで私欲のためにないはずの国を売った。その名もグレガー・マクレガー。名前からして嘘っぽい。その名前が、彼が土地を売ろうとしているスコットランド人に大いに物を言った。スコットランドの伝説的な指導者ロブ・ロイ・マグレガ―の子孫だと主張。当時の人気作家、サー・ウォルター・スコットの小説によって不朽の名声を与えられていた。2017/01/31
香菜子(かなこ・Kanako)
25
幻の国を売った詐欺師。デイヴィッドシンクレア先生の著書。ありもしない国の名前を使って壮大な詐欺を働いた詐欺師の実話。確信犯的な詐欺師ではなく、自意識過剰と自己陶酔が激しい一人の男の誇大妄想によって引き起こされた壮大な悲劇。当時の社会情勢に苦しんでいた人が多かったからこそ、詐欺被害者になってしまう人が続出したのでしょうね。2018/08/09
にしき よう
2
ありもしない国をでっち上げてまで人を騙す人間の気持ちを知りたくて読み始めたのだけど、この人グレガー・マクレガーは単に他人を喰いものにしてして儲けようとしたのではなく、ただひたすらに「こうありたい自分」を追い求めていたのね。彼の法螺話に乗ってしまったが為に人生棒に振ってしまった人々には申し訳ないけれど、だからどこか滑稽で罪がなく、嘘もつきつめていくと真実めいたものになるのかしらん、などと不謹慎なことを思ってしまったりした。2010/12/07
huyukiitoichi
2
これから天国にいけると信じて海を渡った後荒地で生きていく人たちのサバイバルがこういっちゃあなんだけどめちゃくちゃ笑える。2010/09/22
緑虫
1
★★★ 騙されたことが確定的になった後もマグレガーを擁護する被害者が一定数いたというのが興味深い。いつの時代も人間って権威に弱いのね。2017/07/24