内容説明
「指導」という名の教師の暴言と体罰が、子どもたちを苦しめ死に追いやる。学校や教育委員会は事実を伏せる。いじめ自殺の子どもや遺族を徹底取材。そこから見えてきたものは、学校が子どもを見殺しにする実態であった!
目次
序章 私が「いじめ」と「自殺」を取材する理由
第1章 教師の指導で死に追いやられた子どもたち
第2章 この国は、いじめ自殺とどう向きあってきたのか
第3章 終わらない「いじめ自殺」
第4章 いじめ自殺は、きちんと調査されているのか
終章 学校と教育委員会の対応を問う
著者等紹介
渋井哲也[シブイテツヤ]
1969年、栃木県生まれ。ジャーナリスト、中央大学文学部講師。東洋大学大学院文学研究科教育学専攻博士前期課程修了。元長野日報記者。ネット事件、自殺問題、若者の生き方、サブカルチャーなどを取材。1998年からは、ウェブと生きづらさをテーマに取材を進めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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香菜子(かなこ・Kanako)
20
学校が子どもを殺すときー「教える側」の質が劣化したこの社会で。渋井哲也先生の著書。学校が子どもを殺すなんてあってはならないこと。「教える側」の質が劣化したとしたら教える側の責任で子どもたちの責任ではないのは当然。でもその責任をすべて教える側の学校関係者になすりつけるのは違うと思う。「教える側」の質が劣化したとしたら「教える側」の質が劣化しただけの理由があるはず。それは「教える側」への処遇や配慮が足りないのかもしれない。批判するの簡単だけれど社会全体で改善策を考えないといけない。2022/10/29
scarecrow
4
子を持つ親として学校で楽しく生活できているかは最大の心配事だ。本書では、不幸にしていじめによって自ら死を選んでしまった子供達の話だ。どの事例においても、学校側の対応のお粗末さには呆れてしまう。だが、新型コロナでの政府の対応も同じで、彼らには有事の対応がほとんどできないのだ。何事もなく平穏無事な状況の時だけ機能している組織なのだ。また、いじめる側が否認している場合に、アンケートによる証言のみで、物証もなく、自白もない場合には、どうするのだろうか。防犯カメラでや盗聴でもないと無理なのかあと暗澹たる思いになる。2020/09/18
とちち
2
胸くそ悪い…体調崩すほど胸くそ悪い…。実際体調が悪くなった。でも、読むのは義務と思った。すべての大人の。「葬儀の際に…携帯電話のカメラ機能を使って自死した生徒の棺桶の中を撮影しようと」する加害生徒にどんな指導や言葉が届くのだろう。何百年もかけて手にいれた、教育を受ける権利を体現するはずの学校が、いまや苦しい場所に。真矢くんの正義感を守れなかった大人って、なにやってんだろう…それでも、勇気をもって行動する人物も登場することだし、また考えて、俺なりに行動してみるよ。2020/11/25
ジャンルバルクイネー
0
なぜ教育委員会や学校は、事実を認めずもしくは隠蔽し、責任逃れをするのだろう?生徒が亡くなっているのに保身に走ることは、ほとんどの事案で確認される。被害者遺族は更なる被害に遭う。悲しすぎる。子どもの自殺は増えている。最近はいじめより教師の指導によるものが多いらしい。学校へ行くことは安全ではなくなっている。2023/11/14