ライフ・オブ・ラインズ―線の生態人類学

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ライフ・オブ・ラインズ―線の生態人類学

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  • サイズ 46判/ページ数 341p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784845916269
  • NDC分類 389
  • Cコード C0039

出版社内容情報

世界から注目される人類学者、

ティム・インゴルドのライフワーク

「ライン学(=linealogy)」の到達点。



結ぶこと、天候、歩くこと、成長すること、人間になること……

見たことのない自由な発想で、この世界にさまざまなラインを見いだす。

哲学、生態学、気象学、人類学の境界を踏み超えて自在に歩き回る、

人類学者インゴルドの驚くべき「線」の探求の旅。



線を作りだすことは、人間になること──



「たとえ意識されることがなかったとしても、道を歩いたことがある者、布を縫ったことがある者、動物を追いかけたことがある者、詩を朗読したことがある者、図を描いたり手紙を書いたりしたことがある者、──つまるところ、実際に生きている者であれば誰もがそれ〔「ライン学」〕に携わってきた。」(本書より)



たとえ意識していなくても、道を歩いたり、布を縫ったり、動物を追いかけたり、詩を朗読したり、図を描いたり、手紙を書いたりしたことがあれば、つまり、実際に生きているわたしたち人間誰もが、「ライン学」の研究者といえる。



つまり、わたしたち人間は誰もが、「ライン学」の研究者といえるのだ。

そのように説くインゴルドは、本書において、歩くこと、織ること、観察すること、歌うこと、物語ること、描くこと、書くことといった、人間が紡ぎ出す文化の中にあるラインを見出しながら、「結び目をつくること」「天候にさらされること」「人間になること」という3つの枠組みを手がかりに、「ライン学(=linealogy)」をさらに広い視点から考察していく。



本書では、インゴルド自身が提唱する社会的生命論から、ベルクソン、ジェイムズ・ギブソンやメルロ?ポンティ、ドゥルーズ?ガタリ、そしてオルテガ・イ・ガセットの人間論やハンナ・アレントのリーダーシップ論、教育哲学者ヤン・マッシェラインを引き合いに出しながら、バクテリアの細胞と鞭毛、画家マティスの《ダンス》、タコとイソギンチャク、小説家イタロ・カルヴィーノの書く「結び目」、グレアム・ハーマンのオブジェクト指向存在論(OOO)、ロープの結び目と木の継ぎ目、さらには壁、山と摩天楼の差異、地面、知識へと関心を遷移させ、次いで風、つむじ風、渦巻き、風と歩行、足跡、天候を知覚することと世界、大気と雰囲気、空気、空、太陽の光、色、音とメロディにまで考察を広げ、さらには人間化することについて、人間形成、成長することと作ること、行なうことと経験すること、服従することと熟練すること、あいだにあるもの、中動態、調和といった思考に深化させていく。



哲学、社会学、生態心理学、芸術学、考古学、建築学など多様な領域をクロスオーバーする人類学研究を精力的に展開するインゴルドによる、「ライン(線)の生態人類学」の決定的一冊。



「人間…

序文



第1部 結び目をつくること

1 ラインとブロブ(小さな塊)

2 タコとイソギンチャク

3 対象のない世界

4 物質、身振り、感覚、感情

5 結び目と接ぎ目について

6 壁

7 山と摩天楼

8 地面

9 表面

10 知識



第2部 天候にさらされること

11 つむじ風

12 道に沿った足跡

13 風‐歩行

14 天候‐世界

15 大気?雰囲気(アトモスフィア)

16 滑らかな空間の中で膨らむこと

17 巻きつくこと

18 空の下で

19 太陽の光の筋とともに見ること

20 ラインと色

21 ラインと音



第3部 人間になること

22 人間であるとは一つの動詞である

23 人間発生論

24 行なうこと、経験すること

25 迷路と迷宮

26 教育と注意

27 服従が先導し、熟練が追従する

28 一つの生

29 あいだのもの

30 ラインの調和



訳者あとがき

参考文献

索引

ティム・インゴルド(Tim Ingold)[ティム・インゴルド]
著・文・その他

筧菜奈子[カケイナナコ]
翻訳

島村幸忠[シマムラユキタダ]
翻訳

宇佐美達朗[ウサミタツロウ]
翻訳

内容説明

世界から注目される人類学者、ティム・インゴルドのライフワーク「ライン学(=linealogy)」の到達点。結ぶこと、天候、歩くこと、成長すること、人間になること…見たことのない自由な発想で、この世界にさまざまなラインを見いだす。哲学、生態学、気象学、人類学の境界を踏み超えて自在に歩き回る、人類学者インゴルドの驚くべき「線」の探求の旅。

目次

第1部 結び目をつくること(ラインとブロブ;タコとイソギンチャク;対象のない世界 ほか)
第2部 天候にさらされること(つむじ風;道に沿った足跡;風‐歩行 ほか)
第3部 人間になること(人間であるとは一つの動詞である;人間発生論;行なうこと、経験すること ほか)

著者等紹介

インゴルド,ティム[インゴルド,ティム] [Ingold,Tim]
1948年生まれのイギリスの人類学者。1976年、ケンブリッジ大学で社会人類学の博士号を取得、1995年よりアバディーン大学にて教鞭を執る。哲学、社会学、生態心理学、芸術学、考古学、建築学など多様な領域をクロスオーバーする人類学研究を精力的に展開している

筧菜奈子[カケイナナコ]
美術史研究者。2017年京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。岡山大学、関西大学、関西学院大学、京都精華大学など非常勤講師

島村幸忠[シマムラユキタダ]
煎茶家。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程在籍。日本学術振興会特別研究員(DC)。専門は美学・芸術学。京都造形芸術大学通信教育部及び岡山大学非常勤講師

宇佐美達朗[ウサミタツロウ]
京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程。日本学術振興会特別研究員(DC2)。現代哲学専攻。2017年にUniversit´e Paris NanterreでMaster 2(Philosophie)を取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

袖崎いたる

10
本書は政治家と教職者に読んでもらいたいと、私のエゴが叫んでおります。本書から読める人間観と教育観は、たとえば私の読書歴から言えば中動態的であり、オープンダイアローグ的であり、上妻世海の制作観的であり、それからハーマンの対象の無限の深みの話でもあり、ドゥルーズの生の次元としての潜在性などが励起される。一言で言えば、「人間を嫌いになっても、生を嫌いにならないでください!」ーーって一冊。2019/02/13

GASHOW

3
紙に記録をしない原住民の記録方に紐の結び目を利用して、紐のネックレスに紐を繋ぐものを思い出した。紐状のカーテンの根っこを輪にしてネックレスにしたようなもので、紐の結び目の場所で人生の記録がわかるような仕組みだ。本書にはそのことは一切出てこないから、自分が感じたのは、そんな感じ。2018/12/17

Kyohei Matsumoto

1
文化人類学者の松村圭一郎先生の本に出てきて、関心を持ったので読んでみた。言葉というものはそもそも静的なものだと思うが、この本は動的な言葉というものを体現しようとしているように感じた。その意味で読みにくさがあり、論理的にはっきりとしたものが感じ取りにくい。敢えてそのように書いているのだろう。それはこの本の主張が、人間であることを動詞として捉え、変わり続けることや成長し続けること、結び目を生み出し続けること、関わりを生み続けることを主題としているからだと思われる。この本を読むことで動的な生きることを考えよう。2020/03/26

misman

1
もう一度読む 初版で読んだが、明らかな誤植が二箇所あり、気になってしまった...2020/01/22

いか

1
天候がラインの問題だ、というのはいまいち納得出来ず。そりゃあなんだってラインと関係はあるだろうけども、みたいになってしまった。 が、第3部にはどこか非常に感動的なところがある。線の中程で進み続けることが、人間化し続けることだというのはかっこいい。2019/12/29

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