本田靖春集〈1〉誘拐・村が消えた

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  • サイズ A5判/ページ数 430p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784845107162
  • NDC分類 081.6
  • Cコード C0395

内容説明

「坊主を預かったのはオレだ」―東北訛りの脅迫電話、目前で身代金を奪われた警察の焦り、行き詰まる捜査。日本全土を震撼させた「吉展ちゃん誘拐事件」を、極貧と障害への差別の中に育った犯人小原保の側から描く。(『誘拐』)。満蒙開拓団としての入植と無残な引揚げ、極寒の地での血と涙の開墾、そして巨大開発による離農・解村―青森県下北半島・むつ小川原地区の人々の生涯を翻弄し続けた国策。「国家」とは何か、「国民」とは何かを問う。(『村が消えた』)。

著者等紹介

本田靖春[ホンダヤスハル]
1933年、旧朝鮮・京城に生まれる。55年、早稲田大学政経学部新聞学科卒業後、読売新聞社に入社、社会部記者、ニューヨーク特派員などを経て、71年退社。64年には、売血の実態を告発し、現在の100%献血制度のきっかけとなった「黄色い血」キャンペーンを展開する。77年、『誘拐』で文芸春秋読者賞、講談社出版文化賞受賞、84年、『不当逮捕』で講談社ノンフィクション賞受賞。潮賞、大宅壮一ノンフィクション賞の選考委員を務める
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感想・レビュー

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moko

5
吉展ちゃん事件の「誘拐」と六ヶ所村の開拓団が国に翻弄される「村が消えた」ノンフィクション。本の重さも内容もズシリとくる。私は世の中の事を何にも知らないなぁと再確認。2019/11/29

ナツメッグ☆

5
厳密に言えば再読だが、あらためて読み直してみるとディテールのほとんど忘れていたことの驚く。読了して改めて感じるのは筆者の丹念緻密な取材に基づく筆力、みごとに事件を再現してくれている。無残な殺された方をした吉展ちゃん、貧にして道を踏み外さざるを得なかった小原保の冥福を祈りたい。テレビドラマ化されて泉谷しげるが犯人を好演したのが印象にある。いい作品でした。2013/11/24

dra-wrappin

2
かなりの取材が必要だったであろう。そこにただただ驚いた。2015/11/22

ささ

2
■吉展ちゃん事件と、国家に翻弄された六ヶ所村のとある集落の歴史を取り上げた作品集。後者、『村が消えた』では、生きるために満蒙開拓団として大陸に渡った人たちの悲哀、戦後の逃避行、帰国後の貧困、その中での開拓、そして国家的事業によって、散り散りになって行く人々の歴史が細やかに描かれている。勉強不足のため、満蒙開拓団の人たちが、軍隊の代わりをさせられていた、ということは本書で初めて知った。聞こえのいい言葉ばかりを並べる、という国策は、今も昔も変わることがない。2013/02/28

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