内容説明
「引く」日葡辞書から、「読む」日葡辞書へ。日葡辞書は、なぜ全体の4分の1が「補遺」なのか。なぜ序文を2度重ね刷りしたのか。全編ローマ字の日葡辞書で、イッシン(一親、一身、一心)を書き分けた方法は。日本語学のみならず、版本書誌学・文献学にも貴重な示唆・新見に富む清新な論考と、訪書の静かな亢奮を伝えるコラムを収録。
目次
序章 日葡辞書とは(キリシタン版の辞書;日葡辞書の概要)
第1章 日葡辞書の語釈(日葡辞書の語釈の特徴;日葡辞書の語釈の構造;訓釈―ローマ字で漢字表記を表すために;「id est」と「vel」―説明と言い換え;特殊語注記;ラテン語注記;日葡辞書の語釈の構造まとめ)
第2章 日葡辞書の見出し語(本篇と補遺篇の見出し語;本篇の日本語と補遺篇の見出し昇格語;補遺篇の重出語;日葡辞書の見出し語まとめ)
第3章 日葡辞書の編纂方針(日葡辞書「序文」の印刷上の特徴;日葡辞書「序文」の二重印刷;「序文」二重印刷の理由)
終章 キリシタン版日葡辞書の解明
著者等紹介
中野遙[ナカノハルカ]
1991年神奈川県生まれ。2013年上智大学文学部卒業。2019年上智大学大学院博士後期課程修了(博士(文学))。現在、日本学術振興会特別研究員(PD)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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