激動のインドネシアと20匹の猫

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激動のインドネシアと20匹の猫

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  • サイズ B6判/ページ数 264p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784839601942
  • NDC分類 302.24
  • Cコード C0030

出版社内容情報

猫好きでインドネシア好き(逆でも可)の人にはたまらないエッセイです。著者は経済アドバイザーとしてジャカルタの政府機関に派遣されている時にちょうどスハルトの退陣騒ぎに巻き込まれ、激動するインドネシアをつぶさに観察する機会に恵まれます。御存じのように、日本人の識者のほとんどがスハルト復活を予想しましたが、スハルトはあっけなく退陣しました。なぜか。経済政策の破綻から民衆がスハルトを見捨てる描写は実に説得力があります。しかし、それはこの本に魅力の半分だけ。あとの半分は「猫」です。この人の猫に対する愛情はもうハンパではありません。行方不明になった猫の捜索、下水で死にそうになっている子猫を泥だらけになって救出するところなど、本当に感動的です。


はじめに
□第1章  八年ぶりのインドネシア
チェンカレン(スカルノ・ハッタ国際空港)/ホテルの猫/国家開発企画庁(BAPPENAS バペナス) /ジャカルタの変貌/借家探しとお手伝いさんたち/+ブン・カルノとパ・ハルト――インドネシア人の呼称/+風を探す――チャリ・アンギン
□第2章  ハッタが眠る町 *ジャカルタ1986~89年
猫たち――カルノとハッタ/ハッタの失踪/帰国まで続けた捜索/猫たち――コロク、ミースケ、コジロー/緑豊かなハントゥア通り/+カキ・リマ――インドネシアの屋台/
□第3章  日本で暮らしたカルノとコロク
帰国/仲良しのカルノとコロク/母の病気とカルノの事故/コロクの死/それからのカルノ
□第4章 旱魃と通貨危機 *ジャカルタ1997年
ラジオ通りの暮らし/未曾有の旱魃/通貨危機/母の死/子猫(チビとミケ)を連れてきた灰色猫(イブ)/グヌン・キドゥルへの旅行/+インドネシア語と地方語/+クレテック煙草
□第五章  ジャカルタ暴動とスハルト政権崩壊 *ジャカルタ1998年
深刻化する危機/レバラン(イドゥル・フィトゥリ)/新しい猫たち――トラ、シロ、プティ、ギア、ニア/末期症状のスハルト政権/公共料金一 インドネシアのバブル経済とIMF
補論二 軽視された食糧危機

一九九七年六月に二七年間勤務した経済企画庁(現内閣府)を退職し、二度目のインドネシア勤務(国際協力事業団、現在は国際協力機構=JICAからの派遣)の機会を得て、二年間ジャカルタに単身赴任した。通貨危機と未曽有の旱魃による経済危機のさなかに赴任したため、スハルト政権崩壊という歴史的事件をまぢかに見ることになり、ジャカルタ暴動による緊急一時帰国などめったにない経験もした。個人的には、母が突然亡くなり急遽帰国したことなどもあって、さまざまな感慨の残るインドネシア滞在となった。
 その前のインドネシア勤務では帰国の際に二匹の猫カルノとコロクを連れ帰ったが、この滞在でも多くの猫たちとの出会いがあった。ジャカルタの借家の先住者であった母猫のイブと、その子猫のミケが多産で、しかも臆病で敏捷なために、捕まえて避妊手術に連れていくことができず、次々に仔猫が生まれ、猫好きと聞いて門前に棄ててゆく人もいたりして、結局、帰国時には一〇匹以上になった。これではとても連れ帰ることはできないので、二度のインドネシア滞在ともお手伝いさんとして働いてくれたマルシーの郷里の村に預け、世話をしてもらっている。
 帰国後は神田外語大学で日本経済やが、村の男たちが出稼ぎで覚えたモダンな家を建てるのが流行しているため、村の景観も少しずつ変わり始めている。
 日本帰国直前には、イブの最初の子猫で、ミケとともに生まれた雄猫のチビが引っ越し先の村で行方不明になり、大騒ぎになった。すぐにソロ空港経由で現地に行ったが、結局は捜索を現地の人たちに託して帰国することになった。
 チビは私にとって特別な猫で、行方不明のチビの捜索が帰国後の私にとって一番の重大事になった。二〇〇一年三月に五キロも離れた村で奇跡的に見つかるまで、ジャワに行くたびにどれだけの距離チビを探して歩き回っただろうか。
 もちろん、現地の人たちにもずっと捜索を続けてもらっていたが、飼い主の私が率先して探さなければ、たかが猫一匹ということで現地の人の真剣さも薄れてしまう。迷信深い現地の人が大切に思っていることは私もやらなければならないので、深い森の中の神聖な泉の暗闇で、雨の中一晩お籠もりもした。一人で夜の山道に迷って遭難騒ぎになりかけたこともあったが、チビが見つかった今はどれも良い思い出だ。

内容説明

スハルト政権崩壊前後の記録と猫の引っ越し先となったカンポンの生活が主題にした、猫好きでインドネシア好きにはたまらないエッセイ。

目次

第1章 八年ぶりのインドネシア
第2章 ハッタが眠る町―ジャカルタ1986~89年
第3章 日本で暮らしたカルノとコロク
第4章 旱魃と通貨危機―ジャカルタ1997年
第5章 ジャカルタ暴動とスハルト政権崩壊―ジャカルタ1998年
第6章 スハルト以後―ジャカルタ1998~99年
第7章 カンポンへの引っ越しとチビの失踪
第8章 チビの捜索
第9章 チビの帰還とカンポンの暮らし
補論1 インドネシアのバブル経済とIMF
補論2 軽視された食糧危機

著者等紹介

小菅伸彦[コスゲノブヒコ]
1945年神奈川県生まれ。経済企画庁勤務を経て1999年より神田外語大学教授。1986~89年と1997~99年の2度にわたってインドネシア国家開発企画庁アドバイザーを勤めた。専門はマクロ経済分析、国民経済計算、日本経済論、発展途上国経済(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。