出版社内容情報
ベトナム共産党元幹部による衝撃的な政治回想録。隠蔽されてきた諸事実をあえて公
表しホー・チ・ミン批判のタブーにも踏み込む。インドシナ現代史を見直す上できわ
めて重要。
ベトナム革命の素顔・訳者あとがきより
本書はベトナム共産党の元幹部タイン・ティンが、1990年のフランス亡命後に出版した2冊目の政治回想録である。1冊目の『ベトナム革命の内幕』(邦訳1997年、めこん刊)では、著者は元ベトナム人民軍の将校として祖国の不名誉になることは明かせないという思いから、いくつかの事実に言及しなかった。しかし、本書ではそれらも敢えて公表し、客観的な歴史の検証を求めている。……
本書は次のような意味を含んでいる。第一に、現在ベトナムで公的に語られている同国の現代史は、ホー・チ・ミンが指導する共産党による民族解放闘争の歴史である。タイン・ティンは共産党員としてその闘争に参画した人物でありながら、ホー・チ・ミン自身の功罪を客観的に評価する一方で、共産党の位置づけを相対化し、それ以外の民族主義勢力にも比重を置いて、歴史的役割の再評価を試みている。第二に、公式の現代史では隠蔽ないし黙殺され、諸外国には詳しく知られていない諸事実、すなわち北ベトナムにおける土地改革の誤り、「ニャンヴァン・ザイファム」事件をはじめとする知識人・芸術家への弾圧、テト攻勢時の大量殺人、南部の過激な社会主義改造、ボート
内容説明
タブーを打ち破りベトナムの特権的党官僚を弾劾する。
目次
第1章 破壊のシステム(この世で最大の日和見主義者;罪の報い ほか)
第2章 隠蔽された過去(抹殺?;四八年前の事件 ほか)
第3章 ベトナムの赤い貴族―特権的官僚階級(ベトナムにおける新階級の形成;支配階級 ほか)
第4章 テイク・オフのために(政治的混乱はあるか?;民主主義は贅沢品? ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
活字の旅遊人
ぷりん