出版社内容情報
1975年にベトナム戦争が終結した後、誰もがインドシナ半島に平和が訪れることを期待しました。しかし、現実には、カンボジアとベトナムの国境紛争から、中越戦争、ポル・ポト派の大虐殺、ベトナムのカンボジア侵攻と戦火は拡大する一方でした。
なぜベトナムは同じ社会主義の国カンボジアに侵攻したのか？ 中国はなぜポル・ポトを支援したのか？ アメリカはどんな思惑でインドシナにコミットしたのか？
こうしたいくつもの謎を、卓越した取材力で解き明かしたのが本書です。著者は『ファーイースタン・エコノミック・レビュー』の編集長。日本語版のために一九八六年以降の分析と今後の見通しについて新たに一章を書き下ろしてもらいました。
序章 退場
第１章 昨日の敵と新しい戦争
島の争奪／レ・ズアン、プノンペンに行く／南沙諸島に殺到する／最初の戦争行為／基地への懸念／宴会の時間はない／苦労したカメラマンたち／北京の不気味な沈黙【原註】ノロドム・シアヌーク殿下…勝利
第２章 カイコとネズ‾
〝防壁〟国家から連邦へ／帝国主義者と殿下のはざまで／武装闘争の開始／毒を含んだ同盟【原註】
第３章 ポル・ポト、北京でデビューする
プノンペンの不安／北京からの冷たい風／殺戮記念日／連邦への恐怖／ハノイ、小平に賭ける／北京、牙をむく／攻撃的な友情／勝利のおごり／北京の謎の男【原註】ノロドム・シアヌーク殿下…引退
第４章 歴史をのぞく
〝足の爪先〟への鍼治療／〝長髪のために戦おう〟／まず戦え、そして後に貢ぎ物を／同志による支配／南蛮を平和に保つ／ジュネーブの儒者／アメリカは中国への保険だ／二つないし三つのベトナムを【原註】
第５章 西に吹く風
ドルの雨を待つ／ハノイへの誤ったシグナル／パリから苦悩をこめて【原註】
第６章 東風は圧す
ホーが感涙にむせんだ日／モスクワ…日和見主義への警告／「独立は高くつく」／帰国を早めたスースロる／全天候型の殿下／解放戦線の裏口／作戦開始／宴は終わった／ウタパオ基地への密使／ブレジンスキー、ワシントンの小競り合いに勝つ／むき出しの力に幻惑される／モスクワへのメッセージ／新しい大砲と古い戦争／ワシントンからのウインク／すべてのものへの教訓／【原註】
第11章 インドシナ…戦火は止まず？
三つの国、一つの流れ／「プノンペン落ちなば、サイゴンも」／緩衝国ではなくブロックの一員たれ／ベトナムの卒業教科／〝小平ルート〟の誕生／小平を子守りするアメリカ人／戦う連合政権／あきらめの生活を学ぶ／カムラン湾．南の熊モスクワの雪解け、ハノイの寒波／アンクル・サムに役割を／時をたのむ【原註】
エピローグ／付章 カンボジア和平から現在まで
内容説明
ベトナムはなぜカンボジアに侵攻したのか。中国はなぜポル・ポトを支援したのか。第三次インドシナ戦争を解き明かした、過去に比類無き最高の書。
目次
序章 退場
第１章 昨日の敵と新しい戦争
第２章 カイコとネズミ
第３章 ポル・ポト、北京でデビューする
第４章 歴史をのぞく
第５章 西に吹く風
第６章 東風は圧す
第７章 嵐の前の静けさ
第８章 戦争への道
第９章 ヤンキー・カム・ホーム
第１０章 赤いクリスマス
第１１章 インドシナ―戦火は止まず？
エピローグ
付章 カンボジア和平から現在まで
感想・レビュー
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