出版社内容情報
メコン川流域の豊かな自然と人々の暮らしが、ダム建設、木材乱伐などの開発により徐々に蝕まれつつあります。
今、メコンでは何が起きているのか──。
バンコクに本拠を置くNGOのPER(生態回復プロジェクト)とTERRA(生態回復地域連合)の支援のもとに、オランダの女流写真家がメコン流域のラオス、タイ、カンボジア、ベトナムを長期にわたって取材。人智を超えた自然の豊かな恵みとそれを蚕食しつつある人間の愚かな営みを、296枚の写真と土地の人々へのインタビューで切り取ったのが本書です。
●タイ
メコンのやつにしっかり栓をしろ/ハゲタカ農業/魚/セーンパー村/寺院と樹木/水があれば/希望の地/渡り鳥/イサーンの生活/河岸の光景/ムーン川の力/魚に仕掛けられた戦争
●ラオス
現実/さらなる現実/ナーカーイ高原/眠れる美女/メコンの町/失われゆく土地/シーブンフアン村/一歩一歩/ラオスの海/セーコーン川/ダイナマイト/人魚魚
●カンボジア
メコンの贈りもの/稲作に生きる人々/生命を守った魚網/穴だらけの大地/サトウヤシの川/クラントレア村の未亡人/プノンペン/カンボジアの心臓
●ベトナム
ブッシュ大統領の神/大地の酸と塩/葦平原/農民と木/コメ、道路、そして珍しい鳥たち/ピンク色の黄金/定説と多様性
メコン川流域の貴重な写真がいっぱい。
内容説明
本書は、メコンの富、つまり毎年何百万人もの人々に、行き渡り、分配される沈泥や洪水や漁業の物語である。それは、人々のために働いているメコンの流れの物語であり、またメコンの流れとともに働いている人々の物語である。ラオスの高原のいくつかの小さな支流からベトナムのデルタの広い流れまで、人々は魚を捕り、田畑を耕し、小舟で往来し、品物や情報を交換し、長年にわたる戦争と騒乱から立ち直ろうとしている。
目次
ラオス(現実;さらなる現実 ほか)
タイ(メコンのやつにしっかり栓をしろ;ハゲタカ農業 ほか)
カンボジア(メコンの贈りもの;稲作に生きる人々 ほか)
ベトナム(ブッシュ大統領の神;大地の酸と塩 ほか)