内容説明
近世文学を鳥瞰し、作品を豊富に引用し丁寧な解説で文学史の流れを追う。一人の研究者が渾身の力をそそぎ紡ぎだした積年の研究成果。詩歌史と古典学を中心として、小説史・演劇史もふくめ、個々の作品の魅力と時代区分にこだわり、より柔軟に近世という時代をとらえる。
目次
第1部 詩歌史(和歌;狂歌;漢詩;俳諧;川柳)
第2部 注釈史
第3部 小説史
第4部 文章史(和文;漢文;俳文;狂文;自伝・回顧録;紀行文;記録文;考証随筆;地誌)
第5部 演劇史
著者等紹介
鈴木健一[スズキケンイチ]
1960年東京生。1988年東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。東京大学助手、茨城大学助教授、日本女子大学教授を経て、現在、学習院大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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MrO
1
近世文学なんて見ず知らずの分野の、それも文学史の本が、ほんとに一気に楽しく読めたのは、作品の魅力を使えることを第一の主眼とした本の書き方にあるんだろう。時代の変化に対応して表現方法が変わり、それがそれぞれの魅力を生み出していることが伝わってきた。タイトルしかしらなかった作品ばかりだけど、読んでみたくなった。2023/07/29
禿頭王
1
約300年に及ぶ江戸時代の詩歌史・小説史・演劇史を通覧できる画期的な1冊です。1つ1つの説明はあっさりしていますが、それがかえって通読に効果的でした。特定の作者や作品に偏らず、江戸時代の詩歌・小説・演劇を満遍なく取り上げている本はありそうでなかったので、本当にありがたい本でした。 2023/07/25