内容説明
近年のデジタル技術革新に、世界から周回以上の遅れがあるといわれる日本企業であるが、精査すると従来日本企業が持つ強みはDX時代に求められる組織能力との親和性が高い。戦略経営の諸理論に対して、日本企業の経営特性は多くの領域で整合し、DX時代の日本型企業再生は「温故知新」で臨む必要がある。価値創造企業に改革するために、日本企業のどの強みを活かすことが有利なのか、経営の標準理論の理解を通して考察する。
目次
経営理論と戦略経営のフレーム
第1部 企業の本質と企業を経営することの意味(企業の形態・種類と仕組み;コーポレート・ガバナンスの考え方と仕組み;企業のステークホルダーである社会を意識した経営;企業の境界と中間組織に関する考え方;日本的経営の特徴とその根底にある要素)
第2部 経営戦略に関する諸理論(戦略と戦略理論の多様性;規範的な戦略理論;規範的な戦略理論の限界とダイナミックな戦略理論;戦略策定へのアプローチ方法)
第3部 戦略のマネジメント・コントロール(戦略マネジメント・コントロールの考え方;経営における組織理論の進化;組織の基本構造と組織開発;グループ経営)
第4部 戦略経営を実現するための重要テーマ(成長志向の経営への転換;価値創造におけるサービス事業化;国際事業展開;イノベーションを加速する経営;戦略マネジメント・コントロールの高度化;日本型企業再生のための経営資源と組織能力の進化)
著者等紹介
小松原聡[コマツバラサトシ]
1956年東京生まれ。現在は青森中央学院大学大学院地域マネジメント研究科および同大学経営法学部教授、同大学地域マネジメント研究所長。1979年に早稲田大学理工学部工業経営学科を卒業後、(株)三菱総合研究所に入社し2015年まで同社の研究職として経営コンサルティング業務に携わる。その他にも、関西大学大学院会計研究科の特任教授、早稲田大学理工学術院や東京電機大学大学院未来科学研究科等の大学非常勤講師、三菱マーケティング研究会の事務局長等を務める。専門領域は戦略マネジメント・コントロールで、戦略策定から組織開発と経営システム・デザインに至る一連のコンサルティング・プロジェクトに多数従事。現在は2022年に立ち上げた「三創経営協議会」のメンバーとして、DXを活用して日本企業の強みである現場力の根幹にあった有機的適応パターンの再構築を目指す企業再生プログラムの開発に携わっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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