内容説明
“大陸勢力のソ連・中国・ドイツと、海洋勢力の米国・英国・日本という戦後世界の枠組みを予見”“米国が西太平洋の覇権を争う相手は、日本ではなく中国である”―1942年に書かれたAmerica’s Strategy in World Politics:The United States and the balance of powerは、第二次世界大戦初期の米国を巡る国際環境を網羅的に記述しているが、現代の国際政治への優れた先見性が随所に見られる名著。初めての日本語完訳版!
目次
第1部 米国を巡る勢力均衡(権力政治(パワー・ポリティクス)と戦争
西半球に於ける米国
モンロー主義から西半球防衛へ
米国と大西洋対岸地域
米国と太平洋対岸地域 ほか)
第2部 中南米を巡る争い(2つのアメリカ;宣伝工作(プロパガンダ)と対宣伝工作
新世界経済の様相
天然資源の確保
米州の経済統合 ほか)
著者等紹介
スパイクマン,ニコラス・J.[スパイクマン,ニコラスJ.] [Spykman,Nicholas John]
1893‐1943。オランダ出身の元ジャーナリスト/イェール大学教授。20世紀のアメリカを代表する外交戦略家および地政学者。カリフォルニア大学で博士号取得後、イェール大学の国際学部主任教授、国際研究部の初代所長などを歴任。地政学ではユーラシア大陸の周縁部の重要性を説く「リムランド論」を主張したことで有名。第二次大戦勃発直後に地理学の分析を元にして「将来は日・独との同盟が必要になる」と主張して、当時の米国内で激論を巻き起こす。アメリカの冷戦期の「封じ込め政策」の創始者と言われ、現在のアメリカの世界戦略理論の基礎を作る。1943年に癌のために49歳の若さで死去
小野圭司[オノケイシ]
防衛省防衛研究所特別研究官。1988年3月京都大学経済学部卒業、住友銀行(88~96年)を経て、97年1月に防衛庁防衛研究所に入所、社会・経済研究室長などを経て2020年4月より現職。この間、青山学院大学大学院修士課程、ロンドン大学大学院(SOAS)修士課程修了。専門は戦争・軍事の経済学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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