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内容説明
昔々―ロシアと呼ばれる国もなく、ましてソビエトなんて名前は誰も聞いたことがない。ドニエプル川の流れる大地に、バイキングの末裔たちの国があった。時に西暦976年。大公スピャトスラフ亡き後、権力の座を巡る三人の兄弟の確執が表面化しつつあった。それぞれの思惑につけこもうと、ローマから来た伝道団の司祭、レーヴェンハルトが暗躍する。そんな「社会情勢」は、傭兵の息子レフ・ヴァシーリェヴィチにはなんの関係もない筈だった―筈だったのだが、意外な成り行きで、レフは三兄弟の暗闘に巻き込まれていく。レフの双子の姉イリョーシャ、体をすっぽりと覆う外套に隠された、彼女の秘密とは。奇想天外な発想で審査員をうならせた第五回ファンタジア長編小説大賞佳作受賞作、ここに文庫化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
洪七公
1
既読本1996/02/02
紫
1
十数年ぶりの再読。十世紀末、リューリク朝草創のロシアが舞台の歴史ファンタジー小説。何を書いてもネタバレになってしまう謎の美少女イリョーシャをめぐる騒動に、当時の錯綜した政治情勢をからめつつ、起承転結きっちりつけて、180ページ程度のボリュームに手際よく収めてみせる手腕が実にお見事であります。魔物も妖精も魔術も出てくるんですが、描かれるのはあくまで等身大の人々(?)の物語。基本的に重いストーリーにけっこうえぐい描写もあるんですが、軽妙で惚けた筆致がとても楽しく、早過ぎた傑作といっていいかも。星5つ。 2015/03/17