内容説明
笑い事ではすまされない「陰謀論」の非常識。
目次
第1章 英国のEU離脱はロスチャイルドの陰謀!?
第2章 アメリカのFRBはユダヤが握っている!?
第3章 共産主義はユダヤの思想!?
第4章 ソ連はユダヤ人が作った!?
第5章 コミンテルンはユダヤによる世界支配の手段!?
第6章 東欧のユダヤ人はハザール改宗ユダヤ人の末裔!?
著者等紹介
内藤陽介[ナイトウヨウスケ]
1967年東京都生まれ。東京大学文学部卒業。郵便学者。日本文芸家協会会員。切手等の郵便資料から国家や地域のあり方を読み解く「郵便学」を提唱し、研究・著作活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
南北
58
何かというと「ユダヤの陰謀」を持ち出す人がいますが、歴史を丁寧に見ていくことでさまざまな陰謀論を否定しています。「陰謀論」の危険なところは自分だけが秘密を知っているという優越感を抱いたり、「陰謀論」を前提にして思考停止に陥ってしまうところです。最後に中田敦彦のYouTube大学の話が出ていますが、マスコミ報道の信頼性が失われている現在では特定の人や組織のYouTubeチャンネルの言説「だけ」を信用する人たちも増えてくるのではないでしょうか。こうしたことが新たな陰謀論の温床にならないことを望みます。2020/10/08
なる
36
陰謀論と一口に言ってもその種類は多岐に渡る。イルミナティ、フリーメイソン、秘密結社、闇の政府、最近では新型コロナウイルスとワクチンに関しても陰謀論の槍玉に挙げられることもある。この本ではユダヤによる世界支配という点に的を絞って、ロスチャイルド家、アメリカ中央銀行、共産主義、ソヴィエト連邦、コミンテルン等々、陰謀論者によってユダヤによるものだと言われているものを歴史的な観点や統計からそれが真実とはかけ離れた妄想から来るものであると断じており、有名人による各媒体での誤った陰謀論の拡張に警鐘を鳴らす。2021/12/01
姉勤
35
本書は、数ある陰謀論のなかでも、特に毎度お馴染み「ユダヤの陰謀」について考察、解説する。まことしやかに語られる、ユダヤ人による金融操作、戦争と革命の誘発、二重国家からの世界支配的イメージを、各章で、ことの顛末、当時の人事と時々、歴史的背景を牽いて、その可能性の低さについて解説しています。そしてユダヤ人が蔑視、敵視されてきた経緯についてもわかりやすく、彼らの惨たる歴史に心が痛む。最後に、差別は理解し難く、利用されやすい。すぐに、そうだったのか!と、言わないように。2020/08/29
出世八五郎
27
読み進める内に面白さが増す。数年前にどっぷり陰謀論にはまった経験がある。もう世界は終わりなんだと…リチャード・コシミズ、ベンジャミン・フルフォードなどなど。今はハマっていないが、人類は月に行っていない!や911は自作自演のテロ!というものは半分信じている。本書はユダヤ人主犯の陰謀論は全てあり得ないと述べ、主にユダヤ人の歴史を述べたてる。本当にユダヤ人が可哀想になってくる歴史をを知り、イスラエル建設も仕方がないかなと思ったりするが、そのイスラエルがパレスチナ人をいじめている。巻末に倉山満の名の登場に驚いた。2022/07/26
テツ
25
ワクチン関係やらディープステートやら、まともで現代的な知性とリテラシーをもつ人間ならば噴飯物の陰謀論にハマる方々をSNS上でちょくちょく見かける今日この頃。そんな中、古式ゆかしい陰謀論の一つである「ユダヤ人がこの世界の全てを牛耳っている」という妄想について、内藤先生が丁寧に丹念に全否定してくれる一冊。しっかりとした知識で歴史を振り返ってみれば、ありとあらゆる組織やシステムには成り立つに至った理由がはっきりとしていて、陰謀論などというものが入り込む余地などないと解る筈なんだよな。無知蒙昧は罪だ。2022/05/09