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内容説明
日中関係、靖国神社、憲法改正問題…すべては「昭和」という時代の爪痕である。
目次
第8章 佐分利公使の怪死“幣原外交”
第9章 潤一郎と春夫“文壇”
第10章 天理研究会事件“新興宗教”
第11章 京都大学の墓碑銘“大学”
第12章 天皇機関説“天皇”
第13章 二・二六事件と青年将校“叛乱”
著者等紹介
渡部昇一[ワタナベショウイチ]
上智大学名誉教授。1930年、山形県生まれ。1955年、上智大学大学院修士課程修了。ドイツのミュンスター大学、イギリスのオックスフォード大学に留学。ミュンスター大学哲学博士(1958年)、同大学名誉哲学博士(1994年)。深い学識に裏打ちされた鋭い評論で知られる。第24回エッセイストクラブ賞、第1回正論大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
M.O.
19
知らないうちに自分の昭和前期の見方が偏っていたのだと気づかされた。松本清張「昭和史発掘」を批判的に解説したこの本。「昭和前期=暗黒」という凝り固まった解釈。昭和前期が暗黒というのは社会主義者がいいふらしたことであり「昭和史発掘」には共産主義者にとって不都合な事が書かれていない等々。但し松本清張が226事件の悪影響は「上層部が反乱軍の処分に甘く下克上の雰囲気を許してしまったこと」という点については同意している。「天皇をいただくマルクス主義」が戦前の右翼思想だったという文に納得した。2023/09/25
あきこ
3
下巻は左翼思想の流れ、大学教授をも含む危険思想、天皇機関説などを含み、二二六事件で終わる。まさに昭和の大転換事件である。軍部の思い上がった革命思想は政府要人を殺害するばかりでなく、その後の政治家を骨抜きにし、政治を軍が乗っ取ることとなる最悪の事態であった。しかしそんなときも斎藤隆夫代議士らの命を懸けた行動があったことはあまり知られていない。(本書ではきちんと触れられていたが。)歴史は繰り返す。昭和の教訓は大事である。後半は松本清張の暗黒史観そのものとなったようだった。2017/05/17
しゅんのすけ
1
保守派の碩学 渡部昇一氏による松本清張氏の昭和史発掘に対する批判的論評。大正から昭和初期を言論が封殺され軍閥が跋扈したという暗黒史観をとる清張氏に対して、渡部氏は昭和初期をナチスドイツやスターリン時代のソビエト連邦に比べて随分と明るい時代としており、太平洋戦争の原因についての見解も異なる。2019/01/08
Shinsuke Mutsukura
1
大正から昭和初期は何か自由もなく、ただ単に政府が悪い天皇が悪いという暗黒のベールをマスコミにかぶせられていると思う。平和な時代でなければ国内に社会主義やら共産主義者などという蛆虫はわかないでしょうし、この時代結構不倫だなんだと乱れていた状況を考えても案外平和だったんじゃないかと思います。とにかく、戦争の原因はエリート教育をされた連中が政府の要職について連中が安穏としていたところに226事件が起こってビビったのと、ホーリー・スムート法と、Chinaとロシアでしょう。 当時の日本と今は似てると私は思います。2017/08/24