内容説明
偉大なる経済学者であったカトカン先生の、日本経済を再生させる最後の“カン”告。
目次
第1章 電力政策を考える視座
第2章 福澤山脈が築いた日本の電力体制
第3章 原子力政策と公共選択論
第4章 福澤桃介と松永安左ヱ門から何を学ぶか
第5章 自律分散型電源社会を目指して
対談「今、何が求められているのか」(協同組合的視点から国策民営と原発問題を考える(加藤寛vs吉原毅(城南信用金庫理事長))
未来志向で電力政策を考える(加藤寛vs江崎浩(東京大学大学院教授)))
特別寄稿 原発政策に関する討論型世論調査(DP)について
著者等紹介
加藤寛[カトウヒロシ]
大正15年岩手県生まれ。経済学者。慶應義塾大学名誉教授、嘉悦大学前学長、千葉商科大学名誉学長、第一生命経済研究所名誉所長、日本FP協会名誉理事長。日本経済政策学会会長などを歴任した学会の重鎮であるとともに、政府の審議委員や顧問を数多く務め、日本の経済政策において理論と実践の両面で中心的役割を果たす。特に、臨時行政調査会では部会長として国鉄民営化の立役者となったほか、政府税制調査会の会長を10年にわたって務め、税制見直しに尽力した。小泉内閣では内閣府顧問。平成25年1月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
17
著者の遺作。市場には限界があり、補完は政治プロセスによるしかない。それが民主主義、自由主義国家の原則(24頁)。松永安左ヱ門は、利権を伴う独占事業は政党対立の弊害をかぶるとして、政治と事業に関係ない民間の委員を選出する、としている(60頁~)。利害関係のない、公明正大さを保証する方法として、現代でも談合のない公平さを維持する方法として意味があることだと思われる。福澤山脈は、民間独立、社会貢献、和魂洋才の精神が流れている(69頁)。見習いたい。 2014/09/12
舟江
4
さして長くもない原子力発電所の歴史をひも解くことは、現在の日本に住んでいる上で重要なことだ。おまけとして、福沢諭吉の神髄。付録として読売新聞を買い取った正力松太郎まで出てくる。一度は読んでも損はない本。2018/03/13
Hiroki Nishizumi
4
読み易く分かりやすかった。原発ゼロの内容としては若干踏み込みが浅いきらいもあるが、政府寄り(権力者寄り)と思われていた人だけにインパクトある。しかしながらやはり権力側は黙殺プレイで対応してるな… 2013/07/15
jitchan
4
国鉄民営化を指導し、小泉改革でも活躍した加藤寛の遺作。経歴からみて原発推進派だと思ったら、原発には反対だという。その点も目を引いて本書を読んだ。ただ、内容的には散漫で突っ込みに欠ける。前半電力会社設立の経緯を詳しく語るが、今さらそんな話を聞いてもという感じ。書くにしても要点だけでもいいのではないか。原発反対の根拠についても物足りない。面白かったのは、原発反対運動に力を入れている城南信用金庫理事長との対談くらい。もっとも、これもごく短いものなので、食い足りない感じが残る。残念【★★】2013/03/20
こば
3
☆4 前半日本の電力事業の歴史。後半は原発抜きでの考え方と対談。5章と対談は年一くらいで読み直したい。 エスティマハイブリッド1500wコンセント付き。リーフ24kWh一般家庭の二日分。2017/12/25