内容説明
共産主義革命直後のソ連で青春時代を過ごした著者の自伝的処女小説、ついに翻訳。
著者等紹介
ランド,アイン[ランド,アイン][Rand,Ayn]
アメリカの思想小説家。1905年サンクトペテルブルク生まれ。レニングラード大学で歴史を学び、1926年に渡米。1943年、『水源』がベストセラーになり注目をあびる。1957年の『肩をすくめるアトラス』は元連邦準備制度理事会議長のアラン・グリーンスパンら当時の若者に大きな影響を与えた。その後も個人主義・合理主義・資本主義を柱とするみずからの哲学を『客観主義』と名づけて評論活動を続け、その自由思想はリバタリアニズムやティーパーティー運動のインスピレーションともなっている
脇坂あゆみ[ワキザカアユミ]
ジョージタウン大学外交学院修士課程修了。米国公認会計士。ウォールストリートジャーナル紙ワシントン支局、GEインターナショナル社などを経て現在は仏系ファッション企業で経営計画業務に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
8
本書執筆後作者は個人概念のない世界が舞台のSF「Anthem」を書く(初版1938)。主人公が「I」なる一人称を見出すこのディストピア小説は、作者が育ったソ連の集団優位の統制経済社会に対して個人と資本主義の解放を唱える彼女の思想を逆照射する。作者の自伝に近いという本書では、ロシア革命後一転して管理統制システムと化したソ連が舞台である。一家がペトログラードに戻ると財産は国家に没収され、個人は管理され、主人公の恋愛も管理の中曲折する。その中で外へ出る希望が生まれるが、外は場所でなく思想なのだと本書は示唆する。2018/06/08
O. M.
4
今はなきソ連の全体主義社会を批判した、著者の自伝的小説。全体主義という風潮の中で、自分がやりたいことができない主人公達の心境をイメージすると、心から気の毒に思える。極めつけは、最終盤のアンドレイの葬式パレードだが、国家と個人の乖離が見事なまでに描かれていて、怖い。著者の作品は「肩をすくめるアトラス」、「水源」とも読んだが、本書が一番薄くて?読みやすいかな。それでも何日もかかってしまいましたが。。。2017/03/29
なぎ
2
共産主義国家に生まれなくて よかったと思う 自由に生きている私はなんと幸せものだろうと思ったキラは 自由に生きたかったただそれだけのことなのに〜2014/08/11
スパイク
2
「肩をすくめたアトラス」っていう本が有名だけど、入手できていないので、こちらをオススメ。700ページ近くて、少し読みつかれるが、読む価値あり。2013/04/18
ジョークール
2
絵本以外のマイベスト本棚作成のため、過去に読んだ本を登録。恥ずかしながら「アトラス」は未読です。