内容説明
現代人の病ともいわれるパニック障害をどう理解し、どう治療するか?創始者・森田正馬がただ一回の面接で治して以来多くの人を回復に導いてきた森田療法による治癒回復像を、薬物療法や認知行動療法とも対比しつつ、豊富な症例・治療例に基づき提示する。
目次
1 パニック障害の診断と治療(パニック障害はどう理解され、どう治療されてきたか;パニック障害を診断する;森田正馬が治療したパニック障害;パニック障害に対する認知行動療法と森田療法;パニック障害に対する薬物療法と森田療法;パニック障害とセルフヘルプグループ)
2 パニック障害からの回復―森田療法で何ができるのか(過換気症候群の由紀さん;「発作準備状態」に焦点を合わせたパニック障害の治療;A子さんのめまい恐怖;システム・エンジニアY氏の乗り物恐怖;自分の生き方に自信がもてないパニック障害の女性;パニック障害からの回復―森田療法でどう治るのか)
著者等紹介
北西憲二[キタニシケンジ]
1946年埼玉県に生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。1979年、東京慈恵会医科大学第三病院精神神経科科長。同大助教授、成増厚生病院副院長を経て、現在日本女子大学社会福祉学科教授、森田療法研究所所長
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感想・レビュー
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はっさく
1
恐怖突入して恐怖よ来い!と思ったほうが発作は起こりにくいと力説していてなかなか厳しいが本当にそうなんだなと感じた。経験談が書かれているので個人的に影響受けやすいのでもう少し減らすか大まかに書いてほしかった。2011/09/02
yukimono
0
☆52010/12/23
sayoA
0
不安の軽減を目指すというより、不安をしっかり抱え込める器を作り、本来の自然な生き方ができるよう援助する(その結果不安が軽減される)森田療法は、治療後の患者の人生をはるかに生きやすいものに変えてくれるということが、提示された症例を通じてよく伝わってきた。現在の精神医学ではパニック症の治療の中心は薬物療法だが、このような患者の成長、成熟を促す治療法にもっと重きが置かれるべきだと思った。2023/01/25