精神医療〈2008〉特集 うつ病論―双極2型障害

精神医療〈2008〉特集 うつ病論―双極2型障害

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  • サイズ B5判/ページ数 135p
  • 商品コード 9784826504928
  • Cコード C3047

出版社内容情報

かつてテレンバッハの『メランコリー』が翻訳紹介されたとき、その概念があまりにも当時の日本に合致していた事もあり、「メランコリー親和型うつ病」は普遍的な病像であるように錯覚された。しかし現時点で振り返ってみると、それは戦後復興期から経済成長を果たす過程での、勤勉を国是とした日本とドイツに特有の臨床像でしかなかったことが判明してきた。
バブル崩壊後の閉塞した状況に陥りつつある日本では、うつ病も蔓延・拡散し、その多くは双極Ⅱ型(軽躁とうつを反復する気分障害)となりつつある。その中で、人格障害と双極Ⅱ型の関係を捉え直し、「メランコリー親和型うつ病」の時代に等閑視されてきた躁状態を内包する混合状態への理解がもとめられている。そして何よりも臨床現場における精神看護・薬物療法を含む治療体勢を検証・構築することが焦眉の課題となっている。

[巻頭言]うつ病論の現在と双極Ⅱ型――働くことの卑怯なとき(高岡健)
[インタビュー]双極Ⅱ型(内海健+[聞き手]高田知二)
総論:メランコリーの彼岸へ――軽症化・混合状態・非定型化(高岡健)
現代的なうつ病像の背景に何があるのか――メランコリー親和型の時代の後に(中村敬)
新種うつ病の様相と看護アプローチの模索(八木こずえ)
症例から考える双極Ⅱ型障害とパーソナリティ障害(林直樹)
向精神薬の意味論(熊木徹夫)
[インタビュー]軽症化・心理学化・非定型化と混合状態(森山公夫+[聞き手]高岡健)
連載・コラム・書評

目次

特集 うつ病論―双極2型障害
視点17 「心神喪失者等医療観察法」をめぐる最近の動き
連載 触法精神障害者問題に対する「日精協」の対応6 保安処分案と心神喪失者法案への態度
連載 引き抜きにくい釘20 あなたすてきよ。いい感じよ。
連載 暴力のリスク・マネージメント2 暴力のリスク・アセスメント
連載 少年非行をめぐって13 非行少年が背景にもつ被害体験について・2―虐待が影響を与えたLさんのこと
連載 老いのたわごと39 日本社会精神医学外史・その1
書評 『不安障害―精神療法の視点から』中村敬著(星和書店刊)
紹介 『(3訂)コメディカルスタッフのための精神障害Q&A―生活支援ハンドブック』藤本豊、高橋一、林一好=編集代表(中央法規出版刊)
書評 『自閉症考現箚記』石坂好樹著(星和書店刊)