出版社内容情報
「新設コンクリートの品質確保・高耐久化」について、専門家がノウハウを伝授します。東北被災地で火がついた「新設コンクリートの品質確保・高耐久化」は、いまや全国へ波及しています。そのきっかけを作った研究者・技術者が方法やノウハウ、思想を伝授します。
2011年、短い工期で莫大な量の鉄筋コンクリート構造物を造らざるを得なくなる出来事が発生します。東日本大震災の復興によって、国土交通省東北地方整備局がこれまでに管理していた橋梁数の1割に値する量が、今後10年間で新たに完成します。他方、東北地方の管理者らは供用中のコンクリートに対してある悩みを抱えていました。凍結防止剤の影響による塩害や凍害で、当初の想定よりも早期に劣化する例が多発していたのです。高度経済成長期以降、施工方法や使用する材料などはほとんど変わっていません。このまま従来の方法で造っては、復興後、早期に劣化することは目に見えていました。そこで、一部の識者が立ち上がって、東北地整の発注担当者を説き伏せ、「今分かっているメカニズムや知見、最新の技術を駆使すれば、前より品質が劣化することはない」という理念のもと、新しい品質確保・高耐久化の取り組みを標準にしました。あれから5年ほどがたち、その潮流は全国に広まっています。本書では、品質確保・高耐久化の方法やノウハウ、またその背景にある考え方や哲学などを、現場で実践している専門家に執筆してもらいました。
【主な内容】
1部 今こそ新設にこだわりを!
1.転換期となった東日本大震災
2.先人に学ぶ品質・耐久性確保の視点
3.「品質と性能」確保への挑戦
2部 東北・山口から上がる革命ののろし
1.東北被災地から生まれた新潮流
2.全ての始まり「山口県の品質確保システム」
3部 トップエンジニアが語るコンクリートの「最先端」
1.劣化する構造物を造っていませんか?
2.設計・施工から検証する「技術の進歩」
3.生産性向上を目指した戦略的な“ 賢い”インフラマネジメント
4.最新技術を現場へ翻訳
4部 2030 年に向けて、革命の先は?
1.解決すべきはコンクリートの問題だけではない!
2.コンクリートの品質・耐久性確保の取り組みを総括
1部 今こそ新設にこだわりを!
1.転換期となった東日本大震災
2.先人に学ぶ品質・耐久性確保の視点
3.「品質と性能」確保への挑戦
[コラム1]土木は“日本発世界初”の宝庫
2部 東北・山口から上がる革命ののろし
1.東北被災地から生まれた新潮流
[復興道路での協働の取り組みの主役たち1]
技術者として考え続けることを止めない
[復興道路での協働の取り組みの主役たち2]
高品質のトンネルを実現したい
[復興道路での協働の取り組みの主役たち2]
技術とは、考えること
[コラム2]「土木は人」
[コラム3]コンクリート刑事の視点から
2.全ての始まり「山口県の品質確保システム」
[コンクリートの匠に聞く1]三者が歩み寄れる関係に
[コンクリートの匠に聞く2]会社を超えて切磋琢磨
[コラム4]人のための土木
3部 トップエンジニアが語るコンクリートの「最先端」
1.劣化する構造物を造っていませんか?
2.設計・施工から検証する「技術の進歩」
3.生産性向上を目指した戦略的な“賢い”インフラマネジメント
[コラム5]インフラの「今」、理解深めるための報道を
4.最新技術を現場へ翻訳
4部 2030年に向けて、革命の先は?
1.解決すべきはコンクリートの問題だけではない!
2.コンクリートの品質・耐久性確保の取り組みを総括
[コラム6]コンクリートは自然素材からできている
熱血ドボ研2030[ネッケツドボケン2030]
岩城 一郎[イワキ イチロウ]
石田 哲也[イシダ テツヤ]
細田 暁[ホソダ アキラ]
日経コンストラクション[ニッケイコンストラクション]
内容説明
品質と耐久性へのこだわり。東北と山口から始まる新時代のコンクリート。
目次
第1部 今こそ新設にこだわりを!(転換期となった東日本大震災;先人に学ぶ品質・耐久性確保の視点;「品質と性能」確保への挑戦)
第2部 東北・山口から上がる革命ののろし(東北被災地から生まれた新潮流;全ての始まり「山口県の品質確保システム」)
第3部 トップエンジニアが語るコンクリートの「最先端」(劣化する構造物を造っていませんか?;設計・施工から検証する「技術の進歩」;生産性向上を目指した戦略的な“賢い”インフラマネジメント;最新技術を現場へ翻訳)
第4部 2030年に向けて、革命の先は?(解決すべきはコンクリートの問題だけではない!;コンクリートの品質・耐久性確保の取り組みを総括)
著者等紹介
細田暁[ホソダアキラ]
横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院准教授。東京大学大学院博士課程(社会基盤工学専攻)を修了後、2001年に東日本旅客鉄道構造技術センターで勤務。03年10月より、横浜国立大学助教授。13年10月から1年間、フランスのIFSTTARで客員研究員。専門はコンクリート工学、建設マネジメント、防災教育など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。