- ホーム
- > 和書
- > 芸術
- > 絵画・作品集
- > 浮世絵・絵巻・日本画
内容説明
変革期に、絵画は何を語り出そうとしたのか。院政期に雰囲気を一変させる絵巻物との連続性から、似絵や「明恵上人樹上坐禅像」など鎌倉時代の肖像画を捉えることで、その深層に形成された思想の言葉の次元を明るみに出す力作。
目次
鎌倉時代肖像画研究序説
絵巻物から肖像画へ―変革期の日本美術
第1部 絵巻物に見る転換の諸相―院政期美術の背景(神仙山水としての「信貴山縁起絵巻」;絵画との対面の感覚―「信貴山縁起絵巻・延喜加持巻」剣の護法の場について;国家の神話としての「伴大納言絵巻」)
第2部 似絵考―徳治理念の表象としての肖像(似絵以前の平安貴族の肖像観―呪詛論をこえて;生身性と肖似性―肖像表現の基礎概念と院政期の肖像表現;似絵と尚歯会図―似絵の起源;「似絵詞」に見る似絵―源流・名付け・概念;似絵の時期区分―「似絵詞」を中心に;初期似絵から中期似絵へ―「中殿御会図」について;後期の似絵―「天皇摂関御影」について;東アジア肖像画の標準―「元人名賢四像図巻」について)
第3部 「明恵上人樹上坐禅像」考―華厳思想の表象としての肖像(造形の特徴と宋画の摂取(構図法を中心に;空間の組み立て・彩色・筆線などを中心に)
東アジア的な図像の伝統―主題を巡る考察(1)
華厳の思想的実践としての肖像画―主題を巡る考察(2)
補論 多様な肖像世界―「明慶上人像(披講像)について」)
著者等紹介
伊藤大輔[イトウダイスケ]
1968年横浜市に生まれる。1991年東京大学文学部卒業。1996年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得満期退学。1997年東京大学大学院人文社会系研究科助手。1999年東京大学より課程博士学位取得。岡山大学文学部助教授などを経て、名古屋大学大学院文学研究科准教授、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。