「大東亜戦争」はなぜ起きたのか―汎アジア主義の政治経済史

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  • サイズ A5判/ページ数 1043/高さ 22cm
  • 商品コード 9784815806293
  • NDC分類 210.75
  • Cコード C3021

内容説明

なぜ日本は「アジア解放の聖戦」という理念を掲げながら、アジア諸国を植民地として侵略したのか。これまで誰も正視してこなかった松井石根と大亜細亜協会を中心とする汎アジア主義の視角から、「大東亜戦争」への道をトータルに読み解き、新たな歴史像を提示した渾身の力作。

目次

「大東亜戦争」はなぜ起きたのか―汎アジア主義という視角
第1部 アジア主義の源流と展開(アジア主義の源流;戦前日本に見られるアジア主義の三類型;「島国」から「海の帝国」へ―長崎・大連・神戸)
第2部 「大東亜戦争」への転変をもたらした帝国要因(高橋財政下における帝国経済再編と体制間優位競争の始まり―日本帝国における汎アジア主義の政治経済的基盤;汎アジア主義における「インド要因」―高橋財政下の帝国経済再編とディアスポラによる反英の論理;汎アジア主義における「台湾要因」―両岸関係をめぐる日・英中間抗争の政治経済史的背景;汎アジア主義における「朝鮮・大陸要因」(1)―露帝国・ソ連及び中国に対する対抗ネットワークの生成
汎アジア主義における「朝鮮・大陸要因」(2)―「満洲国」成立による汎アジア主義の変質)
第3部 松井石根と大亜細亜協会の活動(「大東亜戦争」と大亜細亜協会及び松井石根;日中戦争と松井石根;「イデオロギー・ネットワーク」としての大亜細亜協会;日中戦争の膠着と大亜細亜主義運動の昂揚;日中情報宣伝戦争;汎アジア主義の結末)

著者等紹介

松浦正孝[マツウラマサタカ]
1962年東京都に生まれ、神奈川県で育つ。1985年東京大学法学部卒業。1992年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学。東京大学法学部附属近代日本法政史料センター助教授などをへて現在、北海道大学公共政策学研究科連携研究部教授、博士(法学、東京大学)。著書に『日中戦争期における経済と政治』(東京大学出版会、1995年、吉田茂賞)他(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

BLACK無糖好き

20
西洋の帝国主義的侵略に対する反発・抵抗を基盤に、アジア地域の連帯・提携を模索する汎アジア主義のイデオロギーの緩やかなネットワークを解析しながら、日本が大東亜戦争に突き進む根源を探る。思想・文化団体としての大亜細亜協会と会の中心であった松井石根の活動に焦点を当て、その政治的影響力を分析した点が本書の特徴。自治体を主体とする排英示威行動の一覧表等内容は詳細を極める。全体的に読み応えはあるものの、一千頁を超える厚さだと読書用のブックスタンドに収まりにくく、物体としての取扱いには難儀した。2022/01/07

カラコムル711

1
結局大東亜戦争(太平洋戦争)を主導した勢力はどこか。単純に言えばそれを探求する試論。 いわゆる大アジア主義者に注目、彼らが南進を誘導、主導し、反英米世論を高めた、その責任は大きい。あまりいままで指摘されてこなかったところ。 この主義の中心にいた松井石根はまさに戦犯中の戦犯といってよい。 大本営連絡会議などでの官僚の作文をいかに精密に分析しても、それだけでは答えは出ないという筆者の指摘には、ある程度同感である。 中谷武世、矢野仁一、今岡十一郎などというイデオローグを新たに知ったのは収穫。2014/02/16

obi

0
全体としてうまくまとまっているとは言い難いけど、財界の一部が汎アジア主義や反英運動にコミットした理由を明らかにしているところは大変興味深かった。関西財界における対アジア貿易の重さ・インドにおける経済摩擦の重要性ってのは頭に残りました。2012/02/16

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