「ホームレス」襲撃事件と子どもたち―いじめの連鎖を断つために

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「ホームレス」襲撃事件と子どもたち―いじめの連鎖を断つために

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  • サイズ B6判/ページ数 429p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784811807287
  • NDC分類 368.6
  • Cコード C0036

内容説明

がんばれない自分、うまくやれない自分。その最大「最低」の象徴として、子どもたちは「ホームレス」の人びとの姿を嫌悪し、憎悪する―。野宿者襲撃は、学校でのいじめの延長線上にある。

目次

第1部 “ゼロ”―大阪「道頓堀川ホームレス殺人」事件1995‐1997(“事件”の原風景(被災地・神戸の金髪少年;道頓堀の“橋の子”たち;「人間」の街・釜ヶ崎;路上に生きた命)
“弱者いじめ”の連鎖(“いじめ連鎖”という地獄;奪われた自尊感情;拘置所から届いた手紙;いじめる側の真意;強者からの断罪;いのちへの謝罪))
第2部 野宿者と子どもたち―川崎の取りくみ1995‐1997(路上から教室へ;大人たちの自問;子どもたちの本音;共生の場)
第3部 いじめの連鎖を断つために―いま、なにができるか1997‐2009(二〇〇九年、冬;暴発する怒り;殺したものと殺されたもの;自尊感情の回復;今、私たちにできること)
エピローグ 大切なただ一人のきみへ
巻末資料 野宿者襲撃事件・略年表

著者等紹介

北村年子[キタムラトシコ]
ルポライター、ノンフィクション作家。1962年、滋賀県生まれ。デビュー作『少女宣言』(長征社・1987)が大きな話題を呼ぶ。以後、女性・子ども・ジェンダーをおもなテーマに取材・執筆活動をすすめ、近年は「いじめ」「ホームレス問題」についての講演や、子育て・子育ち支援のセミナー、自己尊重ワークショップなども精力的におこなっている。2008年、「ホームレス問題の授業づくり全国ネット」を呼びかけ、共同代表となって立ち上げる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ねお

15
子供の「ホームレス」襲撃事件は、大人の差別感情の反映であり、異質なものを排除する抑圧による弱者いじめと同じ構造をもつ。問題は子供自身が、安心して帰れる居場所=ホームがないことにより、自尊感情を持つことができないことに起因する。差別意識の克服は関わることから始まるのであり、真の教育は不完全さを受け入れることにある。弱いありのままの自分を認め、受け入れ、尊重できることこそが本当の強さだ。「普通の人とは違う」という理由で差別や同情をすることは、ともに人が等しく生きているだけで価値があることを否定するものだ。2020/10/08

すのう@中四国読メの会コミュ参加中

7
ホームレスを襲撃する側は、人間を人間だと思っていない動機で、同情の余地はないと思っていました。しかし、その襲撃する側の子どもたちも、色々な問題を抱えているのだと感じました。自己責任に全てを押し付けることはあまりにも暴論で、社会も欠陥を内包しているのだと。だからといって、その行為が許されるものとはなりえないのですが…自己責任に問題を押し付けてしまっても、何ら解決の方向には向かわないと思いました。私も、この事実を知ってしまった。この人達のために何か出来れば、と思います。2012/05/18

ぼっこれあんにゃ

4
◎著者のバランス感覚に脱帽。ホームレスの側でもなく、いじめる側でもなく、常に中立的な姿勢を貫こうとする姿があり、でも決して第三者的な冷たさはない。罪を犯した者へ暖かい手を差しのべながらでも決して被害者の不幸から目を離さない。著者自身の主義主張を声高に述べる本ではなく、読者と共に答えを探し求めていくような謙虚な本。当事者の生々しい声を伝える現場主義も徹底しており好感が持てる。誰かを責めるのではなく、あくまで理解を求めようとする姿に真のジャーナリズムを見た気がします。2010/01/01

ひろ子

3
ニュースでパっと聞くだけでは、最終的な「事実」は耳にしても、本当の問題やその奥にある真実にはかすかな光も当たらないのがよく分かった。もちろん起こしたその事実からは逃れられず、逃すわけにもいきませんが、しかし責めを追うのが彼ら「だけ」でいいのでしょうか。ホームレスに具体的な援助をしない、いや、そもそも考えたこともろくにない私達、そして加害者を「加害者になるまで」放置した(場合によってはそうなるように仕向けた)人々は良心とてらして全く無実と言えるのだろうか。2017/01/23

りょうのすけ

3
筆者はホームレス襲撃事件と子供たちのいじめには排除という共通項があると指摘する。ただし、排除をしているのはホームレスでも子供たちでもなく、我々が作り上げる社会である。襲撃事件を起こした子供たちは不適合者として排除され、ホームレスは見向きもされず人間から排除される。そこには、人間の価値を序列化し、都合よく排除する社会の暴力性が表れている。この本は、そのような見たくない現実を否応なく突き付ける。最初の章は読むのもしんどいが、その後の筆者の取り組みは、この現実に立ち向かう希望を与えてくれる。読むべき本の一つだ。2014/03/18

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