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目次
1 古代へのあこがれ 1871~1883年―若手画家としての順風満帆な歩み
2 劇的な絵画空間 1884~1890年―高まる国内外での名声
3 神話と伝説への回帰 1891~1900年―イタリア滞在を経て主題の転換期へ
4 ヴィクトリア朝の残照のなかで 1901~1917年―「モダンなラファエル前派」
著者等紹介
川端康雄[カワバタヤスオ]
横浜市生まれ。明治大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。日本女子大学文学部教授。専門は英文学、イギリス文化研究
加藤明子[カトウアキコ]
横浜市生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(美学)。三菱一号館美術館学芸員。専門は英国美術史、近代美術史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
108
ラファエロ前派に所属しながらアカデミー好みの絵画を描いたウォーターハウス。しかし、彼の技術はいつも発展的だった。特に女性を理想化せずに魔性や苛烈さ、世に押し潰されなければならない不安や気怠さすらも描ききったのにますます、好きになりました。『オデュッセイア』をモチーフにした作品群が素晴らしく、『嫉妬に燃えるキケロ』の表情は、女の残酷さと危うい自尊心の高さの見える表情が好き。『ヒュラスとニンフたち』の清楚さと危うい艶めかしさを内包したニンフたちは美しいが、見ようによっては底無しの闇のようにも見える瞳が恐ろしい2017/10/09
コットン
72
主に古代と神話を主題として女性を上手く描くウォーターハウスは憂いを帯びた女性やファム・ファタール(魔性の女)がお得意の画家。中でも『嫉妬に燃えるキケロ』の180cmを超える縦長の画面と眼力は迫力十分!、『受胎告知』はマリアのしぐさや顔の放心とも言える戸惑いの表情から突然に告げられている様子がよく表れ、彼ならではの作品にしているように思う。2024/03/20
Mijas
66
表紙のシャロット、オフィーリア、トリスタンとイゾルデ、デカメロン、ペネロペ…ウォーターハウスが描く作品世界は幻想的で、神話、文学を題材とした演劇を観ているかのようだ。描かれる女性が美しく、ラファエル前派らしい甘美な世界。背景の風景画は印象派のように細かい描写。好きな絵の数々がオールカラーで紹介され、さらに作品に登場する人物の説明もあり、お気に入りの一冊になった。ヘリックの詩「薔薇の蕾は摘めるうちに摘みなさい」をモチーフにした絵が印象的。薔薇が散りばめられ、まるで英国式庭園を散策しているかのよう。2016/03/15
Vakira
46
われ草地にて出会いし女は いとも見目麗しきひと 髪長くして脚は軽やか、目には妖しき光を湛え。ー「つれなき美女」:ジョン・キーツ。 リョサの長編「悪い娘の悪戯」のカバーがウォーターハウスの「オデュッセウスに杯を差し出すキルケ」という作品で艶かしく惹かれた絵だったので画集を購入して他の作品も見てみた。たまたま「アート鑑賞、超入門7つの視点」を読んだので見方のトライしてみた。ウォーターハウスの場合、絵を鑑賞するというよりじっくり見ていると物語が動き出す。セイレーン、人魚、神話の美女等妖艶な魔力に呑み込まれる。2015/03/01
Mumiu
39
表紙を見て写真かと思ってしまった。神話をを題材にした作品が多い。画集終わりの方のコラムで「通俗性」という言葉が使われているが、なるほど納得の人気ぶり。今まで知らなかったのが残念!めちゃすきです。ウォーターハウス展、来日することがあったらぜひ見たいです♪2014/09/10