出版社内容情報
ゴラン高原へのPKO自衛隊派兵で一躍注目を浴びたドルーズ派。一千年以上にわたりシリアを中心にイスラーム教の一小宗派として生き長らえてきた同派はその教義そのものが外部に秘密のまま保たれている稀有のコミュニティを形成している。中東を新しい視点から見る初の概説書。
内容説明
ゴラン高原PKO派兵で注目を浴びたドルーズ派。一千年以上にわたりシリア、レバノンを中心に続いてきた同派は、その教義そのものが全く外部には秘密のまま保たれている稀有のコミュニティを形成してきた。中東を新しい視点から見る初の概説書。
目次
第1部 ドルーズ派の宗教と社会(ドルーズ派の誕生;ドルーズ派の宗教体系;ドルーズ派の宗教社会)
第2部 中東史のなかのドルーズ派(十字軍とドルーズ派;オスマン帝国のシャーム地方支配;東方問題とドルーズ派;ドルーズ派コミュニティと委任統治支配;ドルーズ派の現在)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
2
イスラムの中でもレバノンとその周辺に住む宗派ドルーズ派について、実際にシリアやレバノンのドルーズ派居住地域でフィールドワークも行っている著者による、日本では珍しい研究本。シーア派から更に枝分かれしたがその経緯がよくわからない起源、常に少数派として時に権力者から抑圧されていた歴史など、この宗派は常に中東史の片隅にあった。しかし、他の宗派が否定する輪廻転生を信じ、メッカを聖地を見做さない等、スンニー派からは「異端」乃至「異教」と見做される教義も解説している。現在はシリアがドルーズ派の中心らしい2024/04/23
可兒
0
コーラン以外に聖書があったり輪廻転生を信じたりイマームを神格化したり、お前それほんとにイスラム教かと言いたくなるイスラームの少数宗派ドゥルーズは、いつも少数派だったため世俗寄りの思考をすることが多い。そんな彼らや、彼らと付き合っていた“普通の”ムスリムやクリスチャンの話2010/06/09