沖縄舞踊の歴史

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沖縄舞踊の歴史

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  • サイズ A5判/ページ数 275p/高さ 22X15cm
  • 商品コード 9784806756521
  • NDC分類 769.199

出版社内容情報

古書店でしか手に入らなかった幻の名著、13年ぶりに復活。
伊波普猷賞受賞の著者が、沖縄舞踊の発達と変遷など、その歴史的展開の経緯を跡づけた貴重な研究書。

【内容紹介】本書「『沖縄舞踊の歴史』を読む  外間守善」より
 初めて世に問われた沖縄の舞踊史である。今までに芸能史のような著論がなかったわけではないが、沖縄の踊りの歴史についてその源流を探りつつ、歴史的変遷を明らかにした研究書の出現はまったく初めてのことである。
 戦後の沖縄の舞踊が隆盛をきわめ、社会的な評価を高めている現状の中で、舞踊の歴史を明らかにした本書の上梓は、画期的なものであると同時に時宜を得たものといわざるを得ない。待ち望まれた書であるだけに、舞踊専門家の方々にも、研究者にとっても、また一般の舞踊愛好家にも必読の価値をもつ本といえよう。

【内容紹介】本書「はじめに」より
 本来三味線や舞踊などの芸能は、沖縄では書道や武道などとならんで士族の教養であった。残念なことに、音楽や舞踊が廃藩以降、演劇界と結びつき生計の手段とされてきたため、長く戦後にいたるまで芸能というものが卑しい業とされるにいたった。ようやく近年にいたって知識層の関心を集めるようになったが、時すでに遅く貴重な歴史と知識は発掘されることなく、その多くは永遠に埋もれてしまった。
 この間、沖縄の舞踊の隆盛は、数々の他府県公演や海外公演にも見られるように、内外の注目を集め、那覇市はじめ各地における舞踊研究所の数は日を追って増加の一途を辿り、舞踊人口は他府県に類を見ないと言われるほどである。しかし、舞踊の底辺の広がりは往々にして型の乱れや、家元制という新たな問題を生じた。
 昭和11年の東京公演を見た小寺融吉は、沖縄舞踊界について次のように警告している。
「師匠の資格と云う者が一定してゐないので、ほんの少しばかり数を覚えると、忽ち師匠として立つ、なにしろ師匠の需要が盛んなので、インチキ師匠でもやってゆける。然し此のために古い型がドンドン崩れますと某氏が云はれた。古い型が崩れると云ふことは、沖縄ばかりの話ではない。そして此の問題に関しては東京の舞踊家や舞踊評論家ですら、関心の度が足りない。古い型が崩れるのは、その事自身が惜しむべきである以上に、新しい型を生むために致命的損失になる。」
 この指摘は50年余も前になされたものであるが、その危惧は現実性を加えつつ今日の沖縄舞踊の前に大きく立ちはだかっている。加えて、復帰後の社会情勢の変化は、芸能の基盤そのものが崩壊し変貌しつつあり、この危機にさらに拍車をかけている感がある。それでは、その危機をどのようにして乗り切るべきであろうか。
 これらの事態に対処するためには、いろいろな方法があるとは思うが、その前提として沖縄舞踊を今一度学問として見直すことこそ学者・研究者の責任であると思う。それにより、その古層と他律的要素について再考し、本来の沖縄舞踊のあり方といったものを明確に把握していくことが必要であろう。いま沖縄舞踊は、あらためて学問的研究の段階に入ったように思われる。また実技のうえでは、雑踊りの本来の躍動的なリズム感や間の面白さなどが注目され、古典女踊りの内面的なリズム感の喪失が強く訴えられ、沖縄舞踊の本質再発見への取り組みが真剣に望まれている。
 とくに、これからの沖縄舞踊を考えるとき、創作の問題を素通りできないが、その方向づけを行うためにも、改めて古典を考え、歴史を振り返る必要があるといえよう。

【主要目次】
1.おもろ時代の舞踊
  ●歌と踊りの島(太陽の島/豊穰への祈り/踊り直り/うちはれの遊び/命の踊り)
  ●神遊びの手(手を揺りて舞う/イザイホー/手/七の御手)
  ●『おもろさうし』の舞踊(オモロの神遊び/コネリ・ナヨリ/聞書の手/歌詞と手の関係)
2.冠船時代の舞踊
  ●15、6世紀冊封使の見た夷舞(冊封使と舞踊/陳侃の見た夷舞)
  ●大和文化と舞踊(京都・鎌倉と仏教伝来/盆の習俗/エイサー/念仏口説/京太郎/二才踊りと若衆踊り)
  ●17世紀冊封使録にみる冠船舞踊(高歌低舞/冠船舞踊の特色)
  ●冠船舞踊様式の確立(中秋の宴の歌舞/重陽の宴の歌舞/盆の年忌躍奉行/冠船の躍奉行・玉城朝薫)
  ●三絃の伝来と舞踊(三味線の伝来/冠船への登場/琉歌と三味線/踊り歌の技法)
  ●玉城朝薫と舞踊(朝薫と大和芸能/組踊りとその背景/くりまへ踊り/端踊りの形/組踊りにおける舞踊構成/朝敏の「手水の縁」の場合/入端の形式/出端と入端の歌三味線/冠船で女踊りの上演されなかった理由/七踊りへの疑問/七踊りの歌詞の作者)
  ●江戸上りの舞踊(江戸上り/沖縄舞踊の本邦初演/薩摩屋敷での歌舞)
  ●戌の冠船の舞踊(演目にみる継承と発展/神舞いの変貌/入れ子踊り/女端踊りの展開)
  ●寅の冠船(最後の冠船/共同体の踊りから個人の踊りへ/冠船舞踊の芸の水準)
  ●舞踊の普及(士族芸能と庶民芸能の交流/八重山の踊り/勤王流と現在の八重山舞踊)
3.廃藩置県以後の舞踊
  ●商業演劇時代の舞踊(仲毛時代の幕開き/仲毛の師匠たち/雑踊り誕生/玉城盛重の創作/劇場での舞踊)
  ●名優による舞踊の時代(東京公演の衝撃/玉城盛重と新垣松含と渡嘉敷守良/伊良波尹吉/首里の芸脈)
4.戦後の舞踊
  ●古典の研究と創作(不死鳥のように/文部省芸術祭参加/芸術祭とコンクール/舞踊の型の問題/創作舞踊の活発化)
  ●沖縄舞踊の展開とその特色---まとめ(祭祀の時代から現代まで/沖縄舞踊の特色)

目次

1 おもろ時代の舞踊(歌と踊りの島;神遊びの手;『おもろさうし』の舞踊)
2 冠船時代の舞踊(15、6世紀冊封使の見た夷舞;大和文化と舞踊;17世紀冊封使録にみる冠船舞踊;冠船舞踊様式の確立;三絃の伝来と舞踊;玉城朝薫と舞踊;江戸上りの舞踊;戌の冠船の舞踊;寅の冠船;舞踊の普及)
3 廃藩置県以後の舞踊(商業演劇時代の舞踊;名優による舞踊の時代)
4 戦後の舞踊(古典の研究と創作;沖縄舞踊の展開とその特色;沖縄舞踊年表)