内容説明
コウモリは洞窟の中で寝る位置をめぐって争い、ヤギ部のヤギ・クルミがリーダーシップを発揮し、森のアカハライモリは台風で行方不明に!自然豊かな大学を舞台に起こる動物と人間をめぐる事件の数々を人間動物行動学の視点で描く。
目次
ヘビ好きの二人のゼミ学生の話
ニホンモモンガはテンを大変怖がる!―テンはモモンガの巣箱に出入り穴を齧ってなかに侵入するのかもしれない
Ktくんはニホンアナグマの研究をしている―社会性に富んだ動物なんだよね
ユビナガコウモリはぶら下がって休息するとき、優位個体が劣位個体の背後に乗る!?―コウモリの群れのなかでの個体間関係って、ほとんど知られていないのだ
大学のノベルティ(記念品)とモモンガグッズ―Nkさんの技術には、イヤ、驚いた!感心した!
ホバとの出合いを思い出させてくれた鳥との出合い―別れはまったく違っていたけど
鳥取環境大学のヤギの群れのリーダーは…―群れの内部構造の秩序に踏みこむ一歩、みたいな
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
71
シリーズ2冊目。だが、やっぱり面白い!読んでいて、全然飽きることがないし、読み進めるのがワクワク感一杯で、楽しい。それにしても、このエネルギーは凄い。先生だけでなく、出てくる学生さんとか教職員もだ。まあ、だから、この大学にいるんだろと思う。生き物は、自分の思い通りにならないし、知らないことだらけで、発見の連続だからこそいい。それにしても、ヤギ部はいいよなあ~。2020/07/27
oldman獺祭魚翁
54
献本 以前から気になっていた「先生シリーズ」の献本が当たったので読んでみた。いやぁ思っていた通り面白い。しかし、アオダイショウやアナグマ、モモンガやユビナガコウモリ、その生態は動物好きには面白くてもお金には成らなそうな学問ばかりです。イヤイヤ真の文化はこういう研究から生まれるものでしょう。悪く言えば学生の研究をネタにして本を書き、印税を稼いでいるように見えますが、これだけの設備など、手作りが多くても、費用は馬鹿になりませんよね。嵌まったのでシリーズの他の本にも手を出しそう。小林先生頑張って下さい。2020/04/20
トムトム
50
毎度はずれのない先生シリーズ。小林先生の自然や生物、生徒たちへの愛が炸裂しています。最近、動物だけでなく頑張っている若者のエピソードでも涙腺が緩んでしまう事があります。シリーズが始まり10年以上。私も年を取りました♪2020/11/26
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
46
初先生シリーズ。アオダイショウ、モモンガ、アナグマ、コウモリにスポットをあてた話。印象的だったのは、モモンガの子供の子育てをした先生のお話、ヘビ好き学生さんのエピソード。こんなゼミがあれば楽しいだろうな~。ドバトのホバの話を知らないので、また他のシリーズも読みたい。2020/12/09
山猫
33
「小林『少年』」のお話。「嗅いでみる」ことを「におってみる」と書いたりしてないのに、なぜ「駐在所」を「家族が住める借家付きの交番」などと書くのさ、先生(笑)。間伐材についての回りくどい説明とか。モモンガとムササビの棲み分けやテンとの関係は興味深い。何者かによって入り口が齧って広げられ、巣材が木の下に落ちていた巣箱についての学生の鋭い指摘。ニホンアナグマとヨーロッパアナグマ、そしてタヌキ。2020/05/06