内容説明
印象派の人気は、知識がなくても感覚的にその美しさが感じられることにありますが、実は印象派の名画にも名画と言われるだけの秘密が隠されています。本書は日本人が大好きな印象派の名画の数々を楽しいギャラリートーク形式で解説、その美しさの謎に迫ります。
目次
第1章 印象派以前―コローからマネへ(コロー;ミレー;クールベ;ドビニー;ブーダン;ヨンキント;バジール;マネ)
第2章 印象派―モネからカサット(モネ;ルノワール;ドガ;ピサロ;シスレー;モリゾ;セザンヌ;カイユボット;ゴンザレス;カサット)
第3章 ポスト印象派(セザンヌ;ゴーギャン;ゴッホ;スーラ;シニャック;ロートレック;ルドン)
第4章 日本人と印象派(浅井忠;黒田清輝;久米桂一郎;児島虎次郎;正宗得三郎)
著者等紹介
井出洋一郎[イデヨウイチロウ]
府中市美術館館長。東京純心女子大学特任教授。美術評論家連盟会員。1949年群馬県高崎市に生まれる。上智大学外国語学部フランス語学科卒業。早稲田大学大学院文学研究科博士課程満期退学(西洋美術史専攻)。山梨県立美術館学芸員を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まつこ
40
ポスト印象派から後印象派までを画家ごとに絵をピックアップして説明しています。対談式なので気軽に読めました。ここ数日で何冊か絵画の本を読んでいてやっぱり描かれた所以の捉え方が諸説あることが分かりました。何をおいても印象派の良さは色と光ですね。木の間から差し込む光の描かれ方が爽やかで気持ちよくなります。でもいつの時代も斬新なことは受け入れられるのに時間がかかるんですね。最後には日本と印象派についても掲載されていて、黒田清輝の『舞妓』や久米桂一郎の『夏の夕(鎌倉)』は本物を見てみたいです。2014/10/18
ホークス
35
カラー図版とマニアのお喋りみたいな解説で30人の画家を紹介。「印象派以前」の8人が良い。モネが「真の師匠」と呼んだヨンキントの港の絵は味があり、既に印象派っぽい。ドービニーも安らかで好きだ。コローの印象派に対する功績が、風景画で食っていけると証明した事とは面白い。印象派が分解していくのは、ネオ(新印象派)とアンチ(象徴主義)がオリジナルを食った結果だという。何事にも終わりがあるという事か。「スーラの絵は楽しそうなのにもの悲しい」との評はなんだか分かる。でもルノワールとセザンヌは、やっぱりよく分からない2019/02/13
こんじろん
19
「新印象派」展の予習に読んでみた。著者は好き嫌いのはっきりした方で、面白く読めた。2015/03/30
たか
6
オールカラーだから見て楽しめる本です。2014/10/05
M
5
印象派と聞くと色々な作品を思い浮かべるが、印象派の絵に触れて感じる開放感は誰しも経験するだろう。本著はそのような印象派の様々な作品を年代順・作品と共に追っていき、ギャラリー・トーク形式で解説していく。私も少なからず印象派の作品は見ているが、新しい作品に対するワクワクするような楽しみは印象派ならではな気がする。この本の中ではモネが自ら師匠と呼ぶヨンキントの「オンフルールの港。夕方」という作品がお気に入りである。文化や芸術は触れてみて、日常における優雅なひと時を提供してくれる希少なものであると痛感させられる。2019/05/01