感想・レビュー
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白河清風
6
7世紀に天皇の権力がまだ他の豪族と拮抗している所から抜け出し、その後は天皇家内での争いに終始し、摂関政治や院政により実権が天皇の手から離れていく。さらに、武士が台頭し、政治や裁判権が根こそぎ剥奪され、祭祀が唯一の役割となる。しかし応仁の乱が契機となり、天皇家の所領は戦国大名にほとんど簒奪され、祭祀を行うこともままならなくなる。幕末では薩長の権力の隠蓑として政治の表舞台に引き摺り込まれ、最後は太平戦争を通じて、日本を敗北へと導く。戦後は復興はしたが、平成を通じて、日本の衰退を静かに見守るという悲しい役割だ。2019/11/15