目次
第1部 テクストの誘惑(餓鬼文献を読む;海外情報をどう復原し、どう評価するか―「頭陀親王入唐略記附載伊勢興房報告」を読む;哲学テクストの解釈―アリストテレス形而上学における基礎概念の考察;作家の覚書を読む―草稿研究の余白に;顔を読み解く;「つれづれ」とは何か―『徒然草』の転変;活字離れのすゝめ―日本古典文学の愉しみかた)
第2部 フィロロジーの射程(文献学から言語学へ―言語における「法則性」の発見;テクストの形而上学;「風景」を/から考える;日記によるコミュニケーション―近代日本から古文書学を考える;作家の書簡集を編む;アベラールの語り、エロイーズの声)
著者等紹介
岡崎敦[オカザキアツシ]
西洋史学研究室、教授
岡野潔[オカノキヨシ]
インド哲学史研究室、教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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山がち
1
人文学入門のシリーズ全四冊の中で最も興味深かったのはこの一冊である。私自身の興味関心の問題もあるが、さらなる学習に向けてのアドバイスなど好感が持てた点も大きい。本書は、もちろん他の本で失われているわけではないが、テクストに対して真摯に向き合ってきており、学ぶところが大きい。川平先生の「つれづれ」に関しては、私的に最も面白いと思っただけではなく、精緻な研究の必要性を、研究者だけではなく、その成果の一般への還元という点からも感じさせるものであった。無批判につれづれを「所在ない」などと取っていたのが恥ずかしい。2013/09/29