内容説明
本書は日文研における共同研究「日本植民地制度の形成と展開に関する構造的研究」の研究成果報告書を2冊にまとめたものの一部である。本巻では、帝国を全体として外側から、帝国を支えた学知である植民政策学や治外法権制度と帝国法制の基本的関係、帝国秩序の再編としての広域秩序形成などに焦点をあてた論文をまとめて編集した。
目次
1 国際秩序と帝国秩序(「植民政策学」から「国際関係論」へ―戦間期日本の国際秩序論をめぐる一考察;ドイツ植民地法ノート;国際秩序と帝国秩序をめぐる日本帝国再編の構造―共通法の立法過程と法的空間の再定義)
2 領域外隣接地域の管理と法の属人・属地的延伸(中国共同管理論の展開―「文明国標準」と協調外交;満鉄付属地行政権の法的性格―関東軍の競馬場戦略を中心に;満州国における治外法権撤廃問題―武部六蔵日記を中心に)
3 領域主権と重層的大東亜法秩序構想(「大東亜共栄圏」における法秩序再構築への道―米日の対中条約改正を中心に;「国家平等論」を超えて―「大東亜共栄圏」の国際法秩序をめぐる葛藤;講演と討論「戦後在日朝鮮人の法的地位の形成」)
著者等紹介
浅野豊美[アサノトヨミ]
中京大学助教授(専攻は東アジア国際関係史、日本政治外交史)。1998年東京大学大学院総合文化研究科国際社会学専攻博士課程単位取得退学
松田利彦[マツダトシヒコ]
国際日本文化研究センター助教授(専攻は日朝関係史、在日朝鮮人史)。1993年京都大学大学院文学研究科現代史学専攻後期博士課程中途退学
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