内容説明
本書は、国際日本文化研究センターにおける共同研究「日本植民地法制度の形成と展開に関する構造的研究」の研究成果報告書を2冊にまとめたものの一部である。本巻では国際秩序と帝国秩序の狭間におかれた日本帝国の法的構造を各方面から検討した論文から構成されている。
目次
1 明治憲法体制と植民地基本法秩序(国籍法以前―研究の整理による予備的考察;植民地司法制度の形成と帝国への拡散―初期台湾型司法制度の成立に至る立法過程を中心に;植民地での条約改正と日本帝国の法的形成―属人的に限定された「単位法律関係」と「共通法」の機能を中心に)
2 台湾社会と慣習の近代的再編及び台湾特殊法制(徴兵令はなぜ海を越えなかったか?―台湾における植民地兵養成問題;植民地の法と慣習―台湾社会の女児取引をめぐる諸問題)
3 朝鮮法域の民事・刑事上の性格と立法・司法制度再編(保護政治下韓国における司法制度改革の理念と現実;軽犯罪の取締法令に見る民衆統制―朝鮮の場合を中心に;植民地期朝鮮における参政権要求運動団体「国民協会」について;植民地独立運動に対する治安維持法の適用―朝鮮・日本「内地」における法運用の落差)
著者等紹介
浅野豊美[アサノトヨミ]
中京大学助教授(専攻:東アジア国際関係史、日本政治外交史)1998年東京大学大学院総合文化研究科国際社会学専攻博士課程単位取得退学
松田利彦[マツダトシヒコ]
国際日本文化研究センター助教授(専攻:日朝関係史、在日朝鮮人史)1993年京都大学大学院文学研究科現代史学専攻後期博士課程中途退学
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