内容説明
ブラフマーは世界を創造し、ヴィシュヌはそれを維持し、シヴァは破壊する。この世界全体が神々の顕現した姿であると信じ、今なおその神話を生きているインドの人々の熱烈な信仰の在処を探る。幾千年にもわたる複雑多様なヒンドゥーの神々の歴史とその性格を豊富な写真・図版を用いて体系的に紹介する著者の40年に及ぶライフワーク。
目次
第1章 プネーの魔女たち
第2章 ヒンドゥー神話の背景
第3章 ヴェーダの神々
第4章 ブラフマー神と神々
第5章 ヴィシュヌとその化身たち
第6章 シヴァとその家族
第7章 ヒンドゥーの女神たち
第8章 カーマ・ガルダ・惑星
第9章 プネーの神々
第10章 ヒンドゥーの神々
補説 日本に来たヒンドゥーの神々
著者等紹介
立川武蔵[タチカワムサシ]
1942年、名古屋に生まれる。66年、名古屋大学文学部哲学科印度哲学修士課程修了。75年ハーバード大学大学院修了(Ph.D.取得)。名古屋大学文学部教授、国立民族学博物館教授などを歴任。現在、国立民族学博物館名誉教授、愛知学院大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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トイ
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神々の像の図が本作の半数を占めていて視覚的にインドの神様がわかりやすくなっている。他にも項目別に詳しく書かれており検索するのに便利な構成である。2014/08/07
momen
0
解説も図も詳しく非常に濃厚な内容。神々の種類や関係性の解説が系統立ててわかりやすくまとまっている。図は歴史ある像や信仰の風景、お土産品のポスターまで幅広く載っているので、現在の信仰の雰囲気や人気の神様が何となくわかってよかった。信仰の実際やローカル宗教のことも載っていて、ローカルの信仰が中央の信仰によって変化していくこと・地域ごとに人気の神がいることなども触れられている。これ一冊でヒンドゥー教の成り立ちから信仰の内容までわかる良本。
in medio tutissimus ibis.
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『ヒンドゥーの神々』に加筆したものをヒンドゥーイズムの「大きな伝統」として、新たに加えられたプネーとカトマンドゥのローカルな信仰についての章を「小さな伝統」として、歩み寄りもありながらも非友好的な2つの伝統からヒンドゥイズムを問いなおそうという意欲作。神々の辞典としては無論、その神々の2つの伝統の中での立ち位置の変遷にも注目。今日ヒンドゥーパンテオンの最高位に座するシヴァも、バラモン正統派を代表する義父プラジャーパティとの関係は悪く、妻サティーの焼死と怒りに任せた祭式の破壊という散々な結果を迎えてしまう。2020/09/08