内容説明
ひとが女/男で“ある”ことは、そのひとのすべてを物語るわけではない。ジェンダーは、性、民族、人種、階層、地域などにまつわる言説と複雑に絡み合って構築されているからだ。本書は、ひとが女/男で“ある”ことの経験を理解し、この複雑に絡み合う言説を解きほぐす試みである。
目次
1 序ジェンダーの語りと語り方
2 インタビューの現象学―“あなた”の前にいる“私”の経験
3 障害とジェンダーをめぐる複数の視線―知的障害を持つ男性のセルフ・ストーリー
4 「普通でない顔」を生きること―顔にあざのある女性たちのライフストーリー
5 差異をもつ“わたしたち”の語られ方―あるレズビアン・アクティヴィストのライフストーリー
6 子どもが生まれても不妊―“不妊の経験”の語り
7 “障害をもつ子どもの父親”であること―母親が語る/子どもが語る/父親が語る
8 牧師にならなかった“牧師夫人”―妻・母・教会内外の役割と葛藤
9 「仕える女」の精神―ある奉仕女の語り
10 この土地で貝を剥く―現役剥き手の個人史から
11 嫁ぬすみのストーリー―経験が語るローカルな文化の変容
著者等紹介
桜井厚[サクライアツシ]
千葉大学文学部教授。ライフヒストリー/ライフストーリー研究
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