出版社内容情報
〈内容目次〉農耕と豊穣の儀礼、聖なる時間と永遠再始の神話 神話の形態と機能 象徴の構造 結論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
7
豊穣を祈願し、大地の女神に捧げられたベンガルの人身供儀での犠牲者メリアーは、土地を貰い、幸福に暮らし、供儀前に髪を切り、オルギーの後、斧を入れない深い森でいくつかの仕方で殺される。その肉は村人全員に配られ、頭と骨は火葬されて、畑や土に撒かれる。植物の循環する生を人間の肉体に重ねるこの供儀は、過ぎ去る俗的時間を廃し、祖型=神話の反復する時間の中で催される。「未開人」には真の歴史は神話であり、過ぎ去る時間は「古い」。著者は、建築がこの宇宙観を地平に垂直に屹立する「世界の中心」とする空間的な象徴化であるとする。2021/07/20
コマイヌ
0
一冊(三分冊)読み通せと書いた序文を無視してレポートに一部使った切りで心残りだったのを漸く消化した。エリアーデへの批判に上げられる具体例が恣意的である(そして著作後期は学問の体を成さない)とがあってそれは素人目にも明らかだと思う。ただ宗教の一般論を自然科学的な学問として扱った著作を私は知らない。 永劫回帰・原初の再現を何故希求するのかはそっちを読まねばならんかと思ったら書いてあった。俗に表象を拡げ人間自身すら表象とする、儀式に組み込まれて人間は自分を失うのではなく実存を手にする(マクロ/ミクロ)。2016/02/12