出版社内容情報
大阪スラムはアジアの驚異的経済成長の原基形態である。'86年の初版に、国際環境の変化を踏まえ今日的視角を加えた増補版。
内容説明
本書は、大正期大阪の代表的スラムの労働=生活過程をできるだけ総合的に描き出そうとするものである。と同時に、かかる「二重構造」から生じる諸矛盾に対して、とりわけスラム労働力市場から生じるそれに対して、当時の識者や行政当局がいかなる対応を示したかを検討することによって、日本の近代化過程の孕んでいた諸問題にアプローチすることをも意図している。
目次
序章 課題と方法
第1章 日本における近代的労働=生活過程像の成立―宇野利右衛門と工業教育会の思想
第2章 日本橋方面釜ケ崎スラムにおける労働=生活過程
第3章 都市部落住民の労働=生活過程―西浜地区を中心に
第4章 1920年代における在阪朝鮮人の労働=生活過程―東成・集住地区を中心に
第5章 在阪朝鮮人の渡航過程―朝鮮・済州島との関連で
第6章 日本資本主義と都市社会政策―大阪市社会事業を中心に
終章 アジアの工業化とスラム―増補版の刊行に寄せて
著者等紹介
杉原薫[スギハラカオル]
1948年生まれ。京都大学東南アジア研究所教授。アジア経済史を専攻
玉井金五[タマイキンゴ]
1950年生まれ。大阪市立大学大学院経済学研究科教授。社会政策論を専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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