出版社内容情報
成果物や発展への意見・評価の反映で授業が、人間関係が、教室が一変!
アメリカ発・最新手法で主体的な学びを実現
フィードバック(feedback)とは、もともと情報通信の分野で「システムから出力された信号がシステム内に戻り、出力結果を踏まえてシステムに影響を与えること」を指します。そこから転じて、「ある成果物への反応・意見・評価を反映させて成果物を改良・改善すること」もフィードバックと呼ばれるようになりました。いまや学校の教室でも、この「フィードバック」が日常的に行われています。生徒どうしで発表やスピーチ、作文や新聞などの成果物を評価しあい、刺激を与えあい、またそこでもらったアドバイスを反映してさらに学びを深めることをめざして、さまざまな実践が試みられています。
しかし、フィードバックという行為は思った以上に難しいものです。成果物への実際のコメントを読むと、漠然とした褒め言葉や、具体的な改善点がわからない批判のための批判などが多く、長く続けていると形式化してしまうこともままあります。最終的にフィードバックの役割は教師だけが担うことになり、大量の成果物に埋もれてお手上げ状態に…。これでは一方向的な従来の授業と何ら変わりませんし、教師の負担が増えるばかりです。
本書は、ピア・フィードバックによって生徒が互いに学びあう教室の作り方について、ICTの活用法を含めた具体的で実用的なアドバイスを数多く提示してくれます。ピア・フィードバックの文化が教室に浸透すると、教え方も学び方も刷新され、教室の風景がガラリと変わります。学びが変わるだけでなく、生徒どうしの関係、そして生徒と教師の関係にも変化がもたらされます。
ピア・フィードバックのパワフルな実践で、あなたの教室をさらに進化させてみませんか?これまでの実践を振り返り、授業と教室を変えていく、本書はそんなきっかけを与えてくれる一冊です。(田中理紗 私立かえつ有明中・高等学校教員)
内容説明
教師に尋ねる前に3人のクラスメイトに質問を。アメリカ発の最新手法で主体的な学びを実現。
目次
1 フィードバックの力(ピア・フィードバックを生徒に教えるための理論的根拠;生徒同士がサポートしあうクラスをつくる;有意義なフィードバックとはどのようなものか)
2 フィードバックを生徒に紹介する(フィードバックの受け取り方と活用法を教える;生徒がフィードバックのプロセスを理解できるようにする)
3 ピア・フィードバックの基本(エキスパート・グループの育成と維持;ピア・フィードバックを支えるICTの使用)
著者等紹介
サックシュタイン,スター[サックシュタイン,スター] [Sackstein,Starr]
20年にわたり中高生に英語とジャーナリズムを教えたあと、ニューヨーク市郊外で教育委員会指導課長を務めた。現在は、教育コンサルタントとして活躍中
田中理紗[タナカリサ]
私立かえつ有明中・高等学校サイエンス科・プロジェクト科主任。帰国生教員。東京学芸大学教職大学院にて、新学習指導要領と国際バカロレアに関する研究にも取り組んだ
山本佐江[ヤマモトサエ]
帝京平成大学准教授。東京で公立小学校の教員をしている間、矛盾を感じていた評価についてより深く学びたいと思い、東北大学大学院教育学研究科教育設計評価専攻にて学ぶ。博士(教育学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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