バットマンの死―ポスト9.11のアメリカ社会とスーパーヒーロー

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バットマンの死―ポスト9.11のアメリカ社会とスーパーヒーロー

  • 遠藤 徹【著】
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  • サイズ B6判/ページ数 269p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784794810908
  • NDC分類 302.53
  • Cコード C0036

出版社内容情報

“暗鬱なヒーロー”像に仮託されたイメージを言語化し、9・11後の「呪われた国家」が抱える苦悩を読み解く 映画『バットマン ビギンズ』(クリストファー・ノーラン監督による〈ダークナイト・トリロジー〉の第一作)では、バットマンことブルース・ウェインが、幼いころ目の前で両親を殺された体験が描かれる。理不尽な暴力によって大切なものをいきなり奪われてしまったのである。この体験がもとでウェインは、突然両親がいなくなるという虚無感、犯人が別の事件で死亡したことによる怒りの対象の喪失といった、解消しようのない苦悩、あるいは衝動を抱え込むことになる。
 そうした内部に鬱積した「向けるべき対象」のない苦悩、あるいは衝動を解放する手段として選ばれたのが、かつて自分を恐怖させたコウモリという表象へと自らを置き換える、あるいは分裂させることだった。かくして“暗鬱なヒーロー”バットマンが誕生する。
 他の選択肢がなかったという意味で、バットマンは呪われているともいえる。だから、彼の物語にはスーパーマンのような能天気さはない。なぜなら、バットマンとは、内なる苦悩、あるいは衝動を解放するための経路にすぎないのであり、極端にいえば自分が「正義」を行っているかどうかはもはや関係ないからである。
 そのことは、ポスト9・11のアメリカ社会の状況とみごとにリンクしているのではないだろうか? 突如襲いかかってきた無差別テロという理不尽な暴力。これに対し、アメリカは即座に自らを「被害者」と位置付けた。そして、国民の抱えこんだ恐怖や苦悩、あるいは「向けるべき対象」の見えない衝動を、明確な「加害者」の幻像を捏造することによって解放した。それが対テロ戦争だったと読むこともできるように思われる。
 それは、苦悩せる呪われたヒーロー像が、苦悩せる呪われた国家の隠喩となった瞬間だったのではないだろうか。(えんどう・とおる)

遠藤 徹[エンドウトオル]
著・文・その他

内容説明

米コロラド州の映画館で起きた無差別銃撃事件の犯人は、口の大きく裂けた“ジョーカー”のメイクをしていた。そしてその時劇場では『ダークナイトライジング』のプレミア上映が行われていた…。アメリカの傷跡に浮かび上がるコウモリの表象―『スーパーマンの誕生 KKK・自警主義・優生学』に続くアメリカン・スーパーヒーロー論の第2弾!

目次

プロローグ 恐怖の見世物
第1章 自己言及するスーパーヒーロー
第2章 9.11の影の下に
第3章 敵はどこにいた(いる)のか?
第4章 壊れた英雄
エピローグ 分裂を解消する力業
附論 なぜ、ジョーカーが、バットマンの師たりうるのか?:ジョーカー再考

著者等紹介

遠藤徹[エンドウトオル]
1961年神戸市生まれ。東京大学文学部英米文学科・農学部農業経済学科卒業、早稲田大学大学院文学研究科英文学専攻博士課程満期退学。定時制高校の教師、大学非常勤講師などをへて、同志社大学言語文化研究センター教授。研究テーマはプラスチック、モンスター等多岐にわたる。また小説家としても活躍し、「姉飼」で第10回日本ホラー小説大賞を受賞、「麝香猫」で第35回川端康成文学賞候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。