「農」と「食」の女性起業―農山村の「小さな加工」

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「農」と「食」の女性起業―農山村の「小さな加工」

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  • サイズ B6判/ページ数 232p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784794808561
  • NDC分類 619
  • Cコード C0061

出版社内容情報

戦後農政の枠組みを超えて「自立」へ向かう農村女性たち。「農と食」を通じたその豊かな営みに日本社会の未来を見る!
2000年代に入ってから、「毒入りギョーザ事件」「食品偽装事件」等が相次ぎ、また日本のエネルギー換算の食糧自給率が40%を切るなどの事態によって、「農」と「食」への関心が高まっている。他方、日本の農業部門については、減反、米価の低迷、高齢化、担い手不足などが強調され、全体像がなかなか伝わってこない。だが、実態はどうなのか。筆者たちは2000年の頃から、中山間地域問題、特にその「自立」と「産業化」に関心を抱き、農山村地域の農業およびその周辺を訪ね歩いてきた。そして、そのような場への訪問を重ねるうちに、そこに広く展開する「農産物直売所」「農産物加工所」「農村レストラン」は、戦後強固に組み立てられてきた日本の農政、さらには農協を頂点とする農業の仕組みに対する、女性たちによる「自立」への営みであったことを知る。戦後の日本の農村地域では、女性の地位の向上や栄養改善を目指して「生活改善グループ」が形成され、漬物や味噌づくりなどの農産物加工が推進されてきた。ただし、少し前まではそれらを販売していく手段に乏しく、近所におすそ分けする程度で終わっていた。だが、現在は事情が大きく変わってきた。まず農産物直売所が広く展開し、また宅配便が普及することにより、女性たちが新たな可能性を手にすることができた点、さらに、農村女性たちの「手作りの食」に対する関心が大きなものになっている点が注目に値する。彼女たちは加工、直売、食事の提供などの実践を通して、「安心、安全」にこだわり、材料を大切に扱い、私たちに「信頼」と「感動」を手渡してくれている。それは、都市と農村の新たな交流の可能性を示し、信頼を失いつつある「農」と「食」の世界に「未来」を切り開いているといえる。「農産物直売所」「農産物加工所」「農村レストラン」は、中山間地域や農山村地域ばかりでなく、日本社会全体の明日に深く希望を与えるものになっているのである。(編者 関 満博)

内容説明

手作りの食が拡げる「信頼」と「感動」の輪。農産物直売所、農産物加工、農村レストランの「三点セット」で農山村・中山間地域を活性化しつつある女性たちの取り組み。そこには、都市と農村を結びつけ、日本の未来に希望を与える、「農」と「食」のゆるぎない原点があった。

目次

農山村に拡がる「小さな加工」
第1部 小さな加工の「基本形」(宮崎県延岡市/遊休施設を改造してスタート―農産加工グループ「ばんばの館」;茨城県日立市/食品加工クラブの活躍と地域力―十王物産センター「鵜喜鵜喜」と「味彩グループ」;北海道江別市/農協女性サークルの転身―JA加工所と「とまと倶楽部」;富山県高岡市/稲作地帯で「ごはんパン」の加工―直売所付設の加工所「佐野おはぎっこ・つかりっこ」)
第2部 公共支援による「発展形」(島根県江津市/行政支援を受けステップアップ―無人市からの展開「住江ふれあい市」;広島県北広島町/道の駅と女性加工グループの相乗効果―「早乙女たちの台所」「よりんさいや」;福島県会津若松市/農作物の受託加工に展開―旧村時代に出発した「企業組合ぴかりん村」;山梨県南アルプス市/地域活性化拠点からの多様な展開―南アルプス特産品企業組合「ほたるみ館」)
第3部 小さな加工の「進化形」(長野県喬木村/農産物の受託加工を全国展開―独自のビジネスモデル「小池手造り農産加工所」;京都府京丹波町/「小さな加工」から企業組合へ―一流の京菓子を製造販売「鎌谷中もえぎグループ企業組合」;高知県中土佐町/イチゴの生産・ケーキ加工・カフェレストラン―六次産業化のモデル「風工房」)
女性起業と「小さな加工」の未来

著者等紹介

関満博[セキミツヒロ]
1948年富山県生まれ。1976年成城大学大学院経済学研究科博士課程単位取得。現在、一橋大学大学院商学研究科教授。博士(経済学)

松永桂子[マツナガケイコ]
1975年京都府生まれ。2005年大阪市立大学大学院経済学研究科後期博士課程単位取得。現在、島根県立大学総合政策学部准教授。博士(経済学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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壱萬弐仟縁

5
国際開発では、女性のエンパワーメントとか、WIDとかGADというのを思い出した。日本の中山間地域でも女性が輝く地域があっても何ら不思議でない。6次産業の地域的取組に改めて注目が集まる。加工は1.5次産業だが、地産地消まで同じ場で展開されれば、地域から経営資源(人、モノ、金、情報)が流出しないで済む。若者の定着やIターンで人口を増やす方向が大切であろう。小稼ぎとは月3万円プラスの発想なのだが、小さな加工はうってつけである。印象では平均年齢が年金受給開始年齢に見えた。若くて50前後の人も? 多くは70代か。2012/11/30

けんとまん1007

4
確かに、いろいろ耳にしたり目にしたりすることが増えてきている直売場や販売コーナー、加工場。それだけ、いろんな形で関わっている人たちが増えているということだと思う。そんな中で、いくつかのポイントに絞って、実例がいくつも書かれている。富山県の中からも一つ紹介されていた。ナルホドと思うことも。地域のコミュニテイという視点が一番印象深い。そして何より、いろんな繋がりを広めているという点だと思う。地域・世代・家族・・・まだまだいろんなパターンがでてくると思う。2011/02/13

かーんたや

2
60歳まで今の仕事頑張って、その後こういうのに関わりたい。2020/11/28

Anna Shibata

2
ひさびさに論文読んだ。 農村女性が経営する農産物加工業にどんな意義があるか?みたいな要旨なのだが、雑にまとめると、数人で細々やってる加工所はお年寄りの生き甲斐がメインで、道の駅や農協の直売所なんかと結び付きが強いとこだと、生き甲斐プラス地域活性化が目的に折り込まれてて、生き甲斐と地域活性化に加えて企業として利益を出そうと頑張っている人達も、ちょこっといるよ、という話。それぞれの形体に意義があるけど、どこも後継者がいないから、次世代に継承していってね。という結論だった。2018/01/09

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