出版社内容情報
☆地域からつくる持続可能な社会☆
サブプライムローンに端を発した2008年秋以降の世界的な景気後退は、単なる循環的なものでなく、20世紀型発展モデルが終焉し、私たちが新たな枠組みを作っていかなければならないことを示すものとなった。ローマクラブの報告書『成長の限界』が発表されたのは1972年、以後40年近くを経て、私たちはようやく循環型社会の必要性を痛感しつつある。 このような視点から日本の各地域を眺めると、実はすでに多くの取り組みが重ねられていることが分かる。ゴミの分別収集、リサイクル、風力・太陽光・バイオマス等の再生可能エネルギーへの転換など、さまざまな実践が進められている。グローバル化の時代、「人、もの、資金、情報」は瞬時に世界を動いていく。だが、国土も地域も動くことはできない。その国土や地域に「希望」がなければ、私たちは生きていくことができない。したがって、私たちは未来永劫にわたって、持続可能な状況を次の世代に引き継いでいかなければならない。将来にわたる「持続可能な地域社会」「自立的・循環的な地域社会」を築き上げることがいま問われている。それは現在を生きる私たちの、「未来」に対する責務である。このような問題意識に基づき、本書では、日本の10の地域における「循環型社会形成」の取り組みに光を当て、多角的に考察を加えた。中山間地域で進められている「クリーンエネルギー事業」、政策的に構想された「エコタウン事業」、さらに、市民による地道な「循環型のまちづくり」などに注目し、その意義を明らかにしていく。私たちは、そうした先駆的な取り組みに学びながら、自分たちそれぞれの地域で「新たな価値」を作り上げていかなくてはならない。21世紀型発展モデルの形成が問われているいま、そのような挑戦に積極的になれるかどうか、それが私たちの地域社会の将来を決することはいうまでもない。(編者 関 満博)
★本書に登場する10の「エコタウン」=岩手県葛巻町、岡山県真庭市、香川県直島町、福岡県北九州市、神奈川県川崎市、岐阜県、北海道帯広市、山形県長井市、長野県飯田市、兵庫県神戸市
内容説明
地域からつくる持続可能な社会。地元の資源(環境、エネルギー、食、暮らし)を未来の世代に豊かにひきつぐために!全国10地域の未来型=循環型のまちづくりに学ぶ。
目次
循環型社会に向かう地域
第1部 条件不利地域の「自立的」な取り組み(岩手県葛巻町/ミルクとワインとクリーンエネルギーのまち;岡山県真庭市/バイオマスを核に広がる重層的ネットワーク;香川県直島町/瀬戸内海のエコアイランドの展開)
第2部 「エコタウン事業」の展開(福岡県北九州市/産業から地域へと広がる戦略的環境活動;神奈川県川崎市/公害のまちから国際環境都市へ;岐阜県/循環型社会の形成に向けた取り組み)
第3部 循環型の「まちづくり」に向かう(北海道帯広市/廃てんぷら油で路線バスが走る;山形県長井市/レインボープランの現状と課題;長野県飯田市/まち全体がエコタウン ほか)
著者等紹介
関満博[セキミツヒロ]
1948年富山県生まれ。1976年成城大学大学院経済学研究科博士課程修了。現在、一橋大学大学院商学研究科教授。博士(経済学)。受賞、1984年第9回中小企業研究奨励賞特賞。1994年第34回エコノミスト賞。1997年第19回サントリー学芸賞。1998年第14回大平正芳記念賞特別賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
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かわのふゆき