僧侶と哲学者―チベット仏教をめぐる対話 (新装版)

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僧侶と哲学者―チベット仏教をめぐる対話 (新装版)

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  • サイズ A5判/ページ数 364p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784794807762
  • NDC分類 180.9
  • Cコード C0015

出版社内容情報

フランスの哲学者ルヴェルは、哲学者とは本来、ソクラテスのように知恵の体現者であり実践者であったはずなのに、現代の哲学も科学も生きる知恵には無関心であることを率直に認める。そして、仏教が西欧で強い関心の的になる背景には、この空白を埋めたいという願望があると考える。彼は、前途洋洋の分子生物学者の道を捨ててチベットの高僧の下で修行した息子リカールと、真摯な議論を交わす。彼によれば、西洋思想の基軸は、意識ある主体としての人間の自立性の確立と、人間による世界への働きかけであり、17世紀以降、みなが歴史の進歩を信じてきた。完全に行き詰まった世界の現状を前にして、仏教はわれわれに何を与えることができるのか。人間にとって一番大事な問い、いかに生きるべきかについて、僧侶は、仏陀の教えに従い、内面の完成に向かおうとする仏教の真のあり方を哲学者に説く。哲学者は、ギリシャ哲学からライプニッツに至る西洋哲学の歴史、認識論、精神分析などと突き合わせる形で、仏教の精神の科学、観想的科学について僧侶のことばを理解しようと努める。自我は実体のない幻想であり、あるのはたえざる意識の流れのみとする仏教の考え方をめぐって、対話は白熱する。チベットの仏教文化が今、中国の暴力を伴う強制的近代化に脅かされているのに、なぜダライ・ラマがあくまでも非暴力に徹し、対話を求め続けるのかが、本書によってよくわかる。仏教の本質に発しているのだ。

内容説明

人生に意味を与えるものは何か。仏教の重要性をめぐる白熱対論。「近代」が捨象したチベット仏教の神髄。仏教僧と無神論者のフランス人親子が「仏陀の教え」の核心に迫る。

目次

科学研究から精神の探究へ
宗教なのか、哲学なのか?
ブラックボックスの幽霊
精神の科学?
仏教の形而上学
世界への働きかけと自己への働きかけ
仏教と西洋
宗教的精神性と脱宗教的精神性
暴力はどこから生まれるか?
知恵、科学、政治
世界の屋根の上の赤旗
仏教―衰退と再興
信仰、儀礼、迷信
仏教と死
個人が王様
仏教と精神分析
文化の影響力と精神の伝統
進歩と新しさについて
僧侶が哲学者に質問する
哲学者の結論
僧侶の結論

著者等紹介

ルヴェル,ジャン=フランソワ[ルヴェル,ジャンフランソワ][Revel,Jean‐Francois]
1924‐2006年。哲学者・政治評論家。アカデミー・フランセーズ会員。現代フランスを代表する知識人のひとり。全体主義と民主主義をめぐる彼の考察は、欧米で高い評価を受けている

リカール,マチウ[リカール,マチウ][Ricard,Matthieu]
1946‐。チベット仏教の僧侶。ノーベル賞受賞者フランソワ・ジャコブ教授の指導のもとで分子生物学の国家博士号を取ったあと、チベット語を学び、仏教修行の道に入る。チベット仏教にかんする文献の翻訳者であり、またダライ・ラマの通訳を務める

菊地昌実[キクチマサミ]
1938年生まれ。東京大学大学院(比較文学)修士課程修了、現在、北海道大学名誉教授

高砂伸邦[タカサゴノブクニ]
1938年生まれ。グルノーブル大学経済学部博士号(第三課程)

高橋百代[タカハシモモヨ]
1948年生まれ。慶応大学大学院(仏文)修士課程修了、現在、北星学園大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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nizimasu

8
ありそでなさそうな親子の対談。父親が政治と哲学を学んだ教授であり、息子がバスツール研究所からチベット仏教に入ったという珍しい経歴。そこでの関心は密教的な以心伝心や生まれ変わりについてしばし自身の体験として語る部分で主観的な経験が自分の中での絶対的な真理になっているということがとても驚きでもある。そこでも親子の意見は相違するけれどそれでいいと突き放す余裕すらある。これって宗教やオカルトに限らず個人的な経験を自分のエートスとして持っている、でもひけらかさないとか仏教的な作法もまた面白い。もう一度読みたい本かも2017/01/30

しょ~や

3
仏教の素晴らしさを良く伝えてると思う。仏教の考え方にずいぶん驚かされた。科学では解決できない次元について考えると興味深い2011/05/21

Sin'iti Yamaguti

2
『ミリンダパンハ』では、ギリシア人であるメナンドロス王とインドのナーガセーナ比丘により、仏教教理に関する問答が交わされている。平凡社東洋文庫の邦訳では、『ミリンダ王の問い -インドとギリシアの対決-』 とサブタイトルが付けられているように、これはおそらく人類史上初の西洋と東洋の知的バトルであった。それから2000年の時を経て交わされたパーナドゥラ論戦(1873年にスリランカでなされたキリスト教と仏教の議論)に代表されるように、議論は常に真剣勝負であった。この点、最近のいわゆる「宗教間対話」など、あたりさわ2009/02/03

tanukiarslonga

2
哲学者である父と分子生物学やめて出家した息子との間で交わされた緊迫感あふれる対話。馴れ合いにもつぶしあいにもならないところがよかった。2016/07/13

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