制裁論を超えて―朝鮮半島と日本の「平和」を紡ぐ

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制裁論を超えて―朝鮮半島と日本の「平和」を紡ぐ

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  • サイズ B6判/ページ数 287p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794807465
  • NDC分類 319.102
  • Cコード C0036

出版社内容情報

本書は、核や拉致をめぐり派生する、実は私たち自身をも取り込んでいるこうした二重基準を、戦前・戦後を貫く日本の対朝鮮半島政策に深い影を落としつづけ、未だに私たち自身も囚われている植民地主義の視点から捉え返そうとするものである。

政治は二重基準に満ちている。その二重基準を正当化するためにマスメディアが情報操作の道具と化し、二重基準を隠蔽する言説が流布される。そのために大学知識人や専門家が動員されることもあるだろう。日本における朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)をめぐる「情報」や言説とは、こうした二重基準の矛盾が最も集約的に表出される〈場〉である。核開発問題では、まるですぐにでも日本が北朝鮮から核攻撃を受けるかのような恐怖を煽る「報道」が繰り返され、北朝鮮バッシングの道具と化す。その一方では、超核大国の米国やロシア、中国の核兵器や大量破壊兵器の存在は不問にされる。また、拉致を「国家テロ」とするこの国の政府によって、北朝鮮の人権侵害が執拗に取り上げられる一方で、日本国内における在日社会に対する民族差別や暴力は見過ごされてしまう。
 二重基準の矛盾が表出する〈場〉は、重い沈黙が澱みながら沈殿する〈場〉でもある。私たちは沈黙を強制する、ときに露骨な、ときに陰湿な圧力に無自覚なのではない。しかし非核・非戦、平和、人権を語る大学人やNGOが「北朝鮮問題」は自分の「専門」ではないと言って沈黙し、二重基準の政治に「傍観者」として加担するのだとしたら、私たち自身が二重基準を犯すことにはならないか? 本書は、核や拉致をめぐり派生する、実は私たち自身をも取り込んでいるこうした二重基準を、戦前・戦後を貫く日本の対朝鮮半島政策に深い影を落としつづけ、未だに私たち自身も囚われている植民地主義の視点から捉え返そうとするものである。批判的分析は日本の「多文化共生」論、国際協力や人権分野のNGO、在日社会、改憲論議にも及ぶ。制裁の論理を乗り越える〈市民〉相互の〈連帯〉の思想を紡ぎ直すためには、ただ日朝両政府を断罪するのではなく、日本社会を包み込んでいる現在的な植民地主義批判の作業が欠かせない。(なかの・けんじ)

内容説明

「北朝鮮問題」の解明と解決のために。「平和国家」日本のダブル・スタンダードを問う。私たちは何を怖れているのか。

目次

序文 国家の論理から離れて「北朝鮮問題」を考える(核と拉致を歴史の文脈に置きなおす;「北朝鮮問題」の解明と解決のために)
第1章 植民地主義の克服と「多文化共生」論(北朝鮮表象における植民地主義;植民地主義はいかにして継続してきたのか;脱植民地主義と「多文化共生」)
第2章 未来に向けての過去―私にとっての北朝鮮核問題(在日韓国・朝鮮人と「祖国」;朝鮮戦争;戦後の日本にとっての平和;朝鮮半島の統一問題;日本と北朝鮮)
第3章 北朝鮮との向き合い方―「内在的接近」をめぐって(韓国社会における北朝鮮への「内在的接近」;「内在的接近」と在日コリアン・日本社会;核実験に対する「内在的/批判的接近」)
第4章 制裁ではなく、協力を(政府による国際協力と戦争責任;植民地主義を克服する国際協力;民衆による国際協力への途)
第5章 安保を無みし、「平和」を紡ぐ(安保と改憲―「北朝鮮バッシング」の背後に潜むもの;安保と「自衛軍」;二一世紀の日米同盟戦略)

著者等紹介

中野憲志[ナカノケンジ]
先住民族・第四世界研究、NGO論など。1970年代半ばの高校時代に在日韓国人政治犯問題、また独裁政権期の韓国民主化闘争と学生運動に強烈な影響を受ける。70年代後半期から80年代の反安保行動、日韓民衆連帯行動や外登法反対‐指紋押捺拒否の支援活動に関わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。