愛するということ―「自分」を、そして「われわれ」を

個数:

愛するということ―「自分」を、そして「われわれ」を

  • ウェブストアに2冊在庫がございます。(2024年04月23日 16時17分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ B6判/ページ数 182p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794807434
  • NDC分類 135.5
  • Cコード C0036

出版社内容情報

「生の実感」を求めてやまない現代人。その表現としての消費活動、非政治化、暴力、犯罪によって崩壊するものとは!!

自己愛という言葉は、自分に酔うナルシストや、利己的なエゴイストを連想させるからか評判があまり良くない。しかし一方で、今ほど「自分を愛する」ことを皆が求めてやまない時代はかつてなかったのではないか。本書でスティグレールは、自分(個)というのは自分に「なる」プロセスなのだ、と繰り返し説いている。個体化とは時間の経過とともに、違う自分になっていくことであり、己のうちの他者を育むことなのだ。しかし個とはそれ自体で変化していくわけではなく、「私」は様々な集団に属して影響を受けつつ、またそこで何らかの役割を担うことで、その「われわれ」の中における唯一無二の存在として認証されていくのである。ところが現在この「私」と「われわれ」双方の個体化が頓挫している。というのも今日の市場経済は、世界標準規格の消費者を作り出すために、最先端技術を駆使して人々の行動様式を極度にシンクロさせようとしており、こうして同じような価値観や美的感覚、想像力や記憶をもつようになった消費者たちは、未知のものを欲望してあらたなものに変化することができなくなり、結果的に自分をもう愛せなくなっていくのである。真の意味での自己愛そして友愛とは、自己や「われわれ」のうちのまさに不一致や矛盾を推進力として、未来を志向し、開いていくことである。技術はそのために使ってこそ「文明」の利器となる。だからこそ今、テクノロジーの社会的役割を徹底的に批判検証しなければならない。そして、グローバル経済の中でただ「生き残る」ことに甘んじず、人間らしく「存在」する方策が具体的に生み出される産業政治を創始しなければならないのだ。

内容説明

「生き残る」のではなく、人間らしく「存在」するために。「私」を育てるということ、「われわれ」の内で自分に「なる」ということ、未来を育てるということ。現代フランス哲学書の市民的ベストセラー。

目次

第1章 本源的ナルシシズムの破壊(ナルシシズムと治安の問題;ナルシシズムの構造には歴史がある;ナルシシズム、消費、行為への移行;生成と未来;「私」と「われわれ」の連結 ほか)
第2章 心的かつ集団的個体化のプロセスの破壊と、「悪」について(「みんな」―もう証人はいない;答唱―崇拝の対象;グローバル・オーディエンス;ナルシシズム、ディアクロニー、通約不可能性;嫌悪と不信 ほか)

著者等紹介

スティグレール,ベルナール[スティグレール,ベルナール][Stiegler,Bernard]
1952‐。デリダの指導で哲学博士号を取得したのち、大学講師を経て、INA(国立視聴覚研究所)副所長、IRCAM(音響・音楽研究所)所長などの要職を歴任。またフランス国立図書館のアーカイヴ化に携わるなど、フランスのメディア政策を主導し、現在はポンピドゥー・センターの文化開発ディレクターを務める。さらに文化産業が支配する現代社会を問題化する国際的運動組織Ars Industrialisを立ち上げ、精力的に活動している

メランベルジェ,ガブリエル[メランベルジェ,ガブリエル][Mehrenberger,Gabriel]
上智大学教授。専門はフランス現代思想、フランス語文体論

メランベルジェ眞紀[メランベルジェマキ]
上智大学講師。上智大学外国語学部フランス語学科卒業、東京都立大学大学院博士課程満期退学、パリ第一大学DEA取得(哲学史)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

左手爆弾

5
「自分」を愛せないことから「われわれ」を愛せないことが生じる。「生きる実感を得るためには悪を働かなければならない」と日記に記したリシャール・デュルンの事件を「われわれの代表者としての市議会を殺害しようとした事件」と解釈し、自己を愛する「ナルシシズム」の欠如を見る。現代人は、「われわれ」ではなく消費者としての「みんなon」になり、そこには意味を産み出す力が欠けている。過去(=われわれの歴史)を継承することが「われわれ」への途のひとつ。狂気は社会にとっては敵だが、個体化のプロセスとしては最も重要。2015/11/19

Ecriture

3
2011/04/04

ひろゆき

1
フランスの極右国民戦線に投票した人たちに皮肉として献じた本。講演が元となっている。未見の言葉が出てくるが親切な注釈があるので助かる。新製品を絶えず売るために、(たとえば日本ではクリスマスやバレンタインデー、そしてハロ-ウィンと)「暦」の破壊が進む。それが虚構でかつ必要な「われわれ」を壊すにいたり、「わたし」の本源的なナルシズムが失われる、とか。自分を愛せないから、他人も愛せない。ましてや異民族など。日本の草食男子増殖もこのあたりにりに理由があ、とか、結構いろいろ考えた。2016/04/09

じょに

1
スティグレールは嫌いではない。『技術と時間』の翻訳出して欲しい。。マジで。。2009/07/01

有智 麻耶

0
人間は「われわれ」において「私」に個体化する。しかし、ハイパーインダストリアル時代において、もはや「私」も「われわれ」も消費者としての「みんな」という存在になってしまう。個性の発揮を他人と違う消費活動(それが成り立つ以上、虚構に過ぎない)によってしか示すことのできない生きづらさ、自分は何ら特別ではないという意識と、逆説的な自己の肥大化等々、社会批評として面白かった。なお、スティグレールは近年、教育学において技術や注意、代補といった観点から読み替えられている(李 2015, 2018a, 2018b)。2018/09/18

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/508169
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。