出版社内容情報
相対性理論と量子力学を超え、今超ひも理論が宇宙の実像を明らかにする。全米40万部のベストセラー。
内容説明
本書の主題である超ひも理論は、相対性理論と量子力学の対立という、物理学最大の難問を解決する。そればかりではない。宇宙の本当の姿を映し出し、万物を説明し尽くす根本の理論、究極の理論であると考えられている。宇宙の本当の姿とは？第一線の研究者である著者が、巧みな表現で描く超ひも理論の最新成果から、驚くべき宇宙の姿が明らかになる。
目次
第１部 私たちはどこまで知っているのか
第２部 相対性理論ｖｓ量子力学
第３部 ひも理論はすべてを説明し尽くすか
第４部 超ひも理論と時空
第５部 統一にむけて
著者等紹介
グリーン，ブライアン［グリーン，ブライアン］［Ｇｒｅｅｎｅ，Ｂｒｉａｎ］
超ひも理論研究者。ハーヴァード大学を卒業後、オクスフォード大学で博士号取得。現在はコロンビア大学物理学・数学教授。超ひも理論の権威ウィッテンから「現役ひも理論研究者のなかでも指折り」という評価を受ける一方で、超ひも理論を普通の言葉でわかりやすく語れる数少ない物理学者の一人でもあり、これまでに二〇ヵ国以上で一般向けの講演を行って超ひも理論を解説、テレビ番組などへの出演も多い
林一［ハヤシハジメ］
昭和薬科大学名誉教授
林大［ハヤシマサル］
翻訳家。東京大学卒業
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よしたけ
53
物理学者ブライアングリーン「物質、生命、心と進化する宇宙 時間の終わりまで」を読了。読書メーターになかったためこちらに記す。宇宙の話から始まり、エントロピー(無秩序なほど高い値、秩序が保たれているほど低い値。ビッグバンや生命の誕生はエントロピーの高まり)を解説。その後は自然科学の内部の階層(素粒子、原子/分子、より複雑な物質構造や生物など)や、心や意識、芸術、宗教の階層などが語られていく。全ての鍵はエントロピーと進化。万物が有限性を与えられ朽ちていく。高度内容だが、平易に語ろうとする著者姿勢に敬意を表する2022/06/24
山口透析鉄
32
元科学少年としても理論物理学の本はかなり好きで、高校時代のブルーバックス(図書室に多々置いてあった)から始まり、ホーキング先生の本(ホーキング、宇宙を語る)は原書でも読んでみたりもしました。 NHKスペシャル等々でも、神の方程式みたいな番組は好きです。 万有理論を突き詰める知的な営み、人類は辞めないのでしょうが、実証不可能な領域に入って久しいので、超ひも理論も果たしてモノになるのかな、と思うところはあります。 でも読んでみる挑戦、して見ても良いとは思いますよ。
やまはるか
30
時空への興味に惹かれて読んだ。移動している光時計は移動分だけ光の到達距離が長くなるために時間が遅れるという理屈は納得できるが、光時計と共にあるロレックスが遅れることは原注を読んでも理解できなかった。ゴットフリート・ライプニッツの「空間と時間は宇宙のなかの物体どうし、出来事どうしの関係を簡単に要約するための記録手段にすぎない」との主張。ゼロブレンと呼ばれるものが、「空間も時間もない領域を垣間見せてくれるかもしれない」ことが分かっていると著者の言葉。それはあり得るだろう。その程度のことしか収穫できなかった。2024/02/03
Gotoran
27
大栗博司著書を読んで本書へ。素粒子論、特に超ひも理論の専門家の著者による「ｴﾚｶﾞﾝﾄな宇宙」の解明の可能性を含み、21世紀の物理学と称されている超ひも理論の生まれ、成長の過程、今後の行方についての解説・論評。一般相対性理論と量子力学の不整合、両者を整合させるひも理論の導入、超対称性を含めた超ひも理論、そしてそこから導かれる大統一理論としてのＭ理論（5つの超ひも理論と11元超重力、ｶﾗﾋﾞｰﾔｳ空間等）とその課題という展開は、非常に興味深く読めた。決して易しい内容ではなかったが、ﾕｰﾓｱたっぷりの軽快な↓2013/09/14
kthyk
22
地上の建築が仕事だが、高校時代は宇宙と天体の大ファンだった。この書はその遺産、しかし、一度も読まれることなく書棚にあった。特殊相対性理論の光速は一定ということからニュートン力学を退け、さらに一般相対性理論によって万有引力を超える重力理論を生み出したアインシュタインは間違いなく２０世紀の大偉人。しかし、この書では彼の論とも矛盾する新たな量子力学による宇宙観。さらに、一般相対性理論でも量子論でも答えられない、宇宙・天体は収縮するのか膨張するのかの大問題。２１世紀の超ひも理論は収縮する事のない宇宙を理論化した。2022/08/28
