内容説明
自己正当化のため巧妙かつ隠微なうそをつく邪悪な人たちの心理とは?「人間の悪」の本質に迫るスリリングな書。
目次
第1章 悪魔と取引した男
第2章 悪の心理学を求めて
第3章 身近に見られる人間の悪
第4章 悲しい人間
第5章 集団の悪について
第6章 危険と希望
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
527
おもしろかった。表面的には善人で常識人に見えるが、実はその背後に自己正当化と責任転嫁を無意識下で行ってしまう人々の引き起こす様々な問題とその心理的なメカニズムを、著者が実際に会った人々の言動を例に出しながら分析し、そういう人々にどう接し、堂生きていくべきかを伝える一冊。序盤はちょっと複雑なケースだが、中盤まで読むとぐいぐい引き込まれる。終盤はこうした人々が集団になることで生まれる悪徳についても説明されていて、なかなか示唆的な一冊だった。2016/12/20
よつ葉
38
うぬぼれとは「悪性のナルシシズム」。人間の悪を初めて科学的に究明した本で虚偽と邪悪の心理学、との前がき。この本は小説ではありません。精神科として開業している先生の所に受診にきた患者達のお話です。でも、そこには患者として受診に来た人たちよりも、付き添ってきた、親や配偶者が原因で精神疾患をかかえる事になってしまった話でもありました。やっかいな事に、その付き添ってきた人達は自分を精神疾患者と認めないのです。なので患者と思われている人「みなし患者」の症状の改善が認められないことでした。2017/02/04
アーモンド
38
悪の心理学。精神科医として、邪悪な人たちを治療しようとした例などが書かれている。宗教観などは日本人である私には少々分かりづらい面もあり、翻訳本なので、言い回しなどなかなかストレートに入りづらかった。邪悪な人は自分の悪を自覚することなく、他人を攻撃する。しかも、身近に普通に存在するようだが、もしかして自分は…と怖くなる文章もあった。2015/09/20
carl
33
時間が掛かったけど面白かった。勉強になりましたって感じ。 私も平気でうそをつけるけど・・・随分違う2017/01/27
佳乃
33
邪悪さについて。自分を守るために虚偽の行動はと変わる。自分の心に言い訳を作るため。本当の邪悪な人間は恐ろしい。一見にして普通に見えるけど、やはり人と違う。邪悪さとは違うかもしれないが、自分を正当化しようと嘘を重ねる人間がいる。あまりにもそれは愚かすぎて人と呼べるものなのかはわからない。ただ、それが邪悪なものでなかったからこそよかったように思う。色んなことに注意を向ければ、きっと邪悪な人間はそこかしこにいて、自分の隣にも本当はいるのかもしれない。ただ、そこまで注意を向けていないだけ・・・2016/11/29