内容説明
比喩をもって語り、象徴の方法で思考する。彼らは何を見て、何を考え、何を語ってきたのか。神話を生みだす力と、さまざまな神話的想像を支える力はどのようにして生まれたのか。遙か昔の日本列島人はなぜ神を創造したのか。日本を代表する国文学者・益田勝実の、主要作品を網羅した古代学の決定版。オリジナル編集・単行本未収録作品も多数掲載!
目次
第1部 日本列島人の想像力(神異の幻想;再話・再創造のエネルギー;秘儀の島―神話づくりの実態;日本の神話的想像力―神話の文法;モノ神襲来―たたり神信仰とその変質)
第2部 神々の世界(現代に潜むもの・はるかな昔;文学史上の『古事記』;神話と他界;神々の愛―日本神話に見る;殺戮―神々と人間の共業;古代想像力の表現過程―わたくしの“国文学”)
著者等紹介
益田勝実[マスダカツミ]
1923年山口県生まれ。東京大学文学部国文学科卒業。1951年東京都立神代高等学校教諭。1967年から法政大学教授。国文学に民俗学の視点を導入し、古代日本の思想や文学を研究。また、高等学校用国語科教科書の編集にも携わり、国語教育にも熱心に取り組んだ。2006年『益田勝実の仕事』(筑摩書房)で第60回毎日出版文化賞(企画部門)。2010年2月6日逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひろただでござる
1
古事記や日本書紀の神話はいつから語りだされてどのように読めるのかを推測や思いつきを排して歴史を辿っていく(特に玄界灘にある沖ノ島の宗像三女神)のは興味深かったし、古事記がこんなに面白く読める(読めそう)とは思わなかった。コールドスリープから目覚めて「ここ」が日本かどうか確認する最も確かな方法は食事に「箸」だけを使うか?…というのはなんか納得。2021/08/29
ドビン
1
益田勝美の著作は大学時代に『火山列島の思想』を読んで強く惹かれ、それ以来その殆どを読んできたが、この本は益田勝実の思想、研究姿勢の根幹を知る上で非常に貴重な論考を数多く含んでおり、『益田勝実の仕事』全巻を読んだ立場から言っても、必読書だと言える。2017/09/03