内容説明
ル・コルビュジエの限界を超える。ポール・ヴィリリオとともに『建築原理』―「斜めの機能」を提唱し、ジャン・ヌーヴェル、ダニエル・リベスキンド等へも多大な影響を与えてきた建築家クロード・パラン。いまを代表する建築家に受け継がれ、都市構造を侵食し続ける「斜めの建築」の基本原理を図解した古典的名著、待望の初邦訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鵐窟庵
9
本書は1970年に建築家クロード・パランによって書かれた宣言文である。それまでの建築に支配的であったコルビュジェの水平垂直方向のドミノシステムを批判して、斜行方向の建築の優位性を説く。斜めに伸びる建築の優位性とは、自然と一体化した建築、連続的に上下移動可能、斜面によってより大きな気積を取れる、など効率主義的な建築への対抗である。本書に載っているドローイングは、現代でも斜行方向の建築設計をする時に想像の助けになるものであるし、何よりもパランが当時のアバンギャルドとして歴史的に影響を与えたことの重要さがある。2019/01/28
hachi_gzk
4
ビルという近代建築は水平の地面に垂直に建てられているが故に、ヒトの交通を妨げる障害物になっている。これを解消するためには、傾いた地面に沿うように、または対抗するように斜めに建築を行うべきである。斜めに建てられた建築は登攀することが可能であり、その建築物は障害物ではなくなり住居であり交通路となる。こんなことを考える人が居たのかと驚かされた。表紙に書かれているような太いマジックで書かれたイラストが大量に(大体3分の1ぐらいか)掲載されているので、非常に読みやすい内容になっている。2009/02/15
takao
2
ふむ2023/08/10
引用
2
最高にキマっている、後年ロメールがヴィリリオ/パランを取材してドキュメンタリーを撮っているのは知らなかった2021/09/14
ryosuke
0
分断する建築の在り方ではなく、つなぐ、連続することから建築を考えた。建築の根底を揺るがす思想とそのスケッチ。卒業設計の着想の原点。2010/06/28