非正規教員の研究―「使い捨てられる教師たち」の知られざる実態

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非正規教員の研究―「使い捨てられる教師たち」の知られざる実態

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  • サイズ 46判/ページ数 167p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784788718050
  • NDC分類 374.3
  • Cコード C0037

出版社内容情報

■なぜこんな矛盾がまかり通っているのか―仕事内容も能力も正規教員と変わらないのに、使い捨てられる非正規教員たち

 公立学校には、「正規教員」と「非正規教員」がいる。
 このことは学校関係者なら当たり前に知っているが、一般の人にはあまり知られていない。多くの人たちは学校の先生に対して、フルタイムで働く正規教員のイメージを持っており、単年度の雇用契約で働く非正規教員がいること自体を知らない人は多い。
 「教員の非正規?それって産休の代役で来る先生とか、非常勤で教える先生のことでしょ?」と言う人がいるが、それだけではない。民間企業の契約社員のように1年契約で雇用され、正規教員とほぼ同じように働く非正規教員が、現在の学校にはたくさんいる。小学校では学級担任を務めることもあるし、中学校では部活動顧問を持つこともある。つまり、表向きは正規教員と何ら変わらない。だから、子供たちはもちろん保護者も、その先生が非正規教員だとは知らずにいることが多い。

 そんな非正規教員が今、増え続けている。その数は今や全国で10万人以上に上り、全体に占める割合も2割に迫ろうとしている。特に、過去15年ほどの急激な増加には驚かされる。グラフだけを見れば、10年後には3~4割が非正規となっても不思議ではない。多くの人が憧れを抱き、「専門職」と言われる教師という職業に、一体何が起きているのか。

 最初に断っておくが、筆者は非正規教員の増加が、直接的に教育活動の質的低下を招くとは考えていない。中には、採用試験に合格していない人が教壇に立つこと自体を問題視する人もいるかもしれないが、話はそう単純ではない。非正規教員の中には採用試験に合格していないだけで、能力的には正規教員に何ら劣らない人もたくさんいる。さらに言えば、教師としての使命感が強いがゆえ、試験対策に時間が割けず、合格できない人も少なからずいるのだ。この点は本章の中で詳しく解説するが、現状の採用選考における構造的な課題と言える。

 では、非正規教員の増加の何が問題なのか――指摘できることは多々あるが、最大の問題は、昨今問題となっている「教員不足」の最大要因となっていることだ。ご存じの方も多いと思うが、昨今は小学校を中心に、「担任が見つからない」「専科の先生がいない」などの状況が至る所で起きている。その結果、小学校では教頭や教務主任がピンチヒッター的に担任を務めるような事態も発生している。すべては各自治体が、非正規教員を増やし続けて来たことの顛末である。

 実を言うと、この問題に焦点を当てることには当初、ためらいがあった。教師という職業の負の側面がクローズアップされ、教員志望者の減少に拍車をかけるのではないかと考えていたのだ。だが、現場の事情で都合良く使い回されている非正規教員たちの姿を見て、やはり一石を投じないわけにはいかないと思った。本書を読んでくださった方々には、状況を冷静に受け止めた上で、建設的な解決・改善策を共に考えていただくことを期待したい。

内容説明

非正規教員が今、増え続けている。その数は今や全国で10万人以上に上り、全体に占める割合も2割に迫ろうとしている。特に、過去15年ほどの急激な増加には響かされる。グラフだけを見れば、10年後には3~4割が非正規となっても不思議ではない。多くの人が憧れを抱き、「専門職」と言われる教師という職業に、一体何が起きているのか。仕事も能力も正規教員と変わらないのに「使い捨て」、10年前を境に人数や割合の詳細も「ブラックボックス」、教員の奮闘を知る教育ジャーナリストが「誰も書かない闇」に迫る!

目次

第1章 非正規教員という「沼」(非正規の仕事が忙しすぎて筆記試験で大学生に競り負ける;同じ仕事内容でも非正規の新人には「初任者研修」がない ほか)
第2章 公にされていない非正規教員の実数を探る(教員の雇用形態はざっくり5つに分けられる;文科省が非正規教員の実数の統計を取っていたのは約10年前まで ほか)
第3章 非正規教員の増加でもたらされる問題は何か(「同一労働同一賃金」の問題―法の網にひっかからない非正規教員;民間で非正規の正規化が進むもう一つの理由 ほか)
第4章 なぜ自治体は非正規教員の採用を増やしてきたのか(自治体が非正規の割合を増やし続けてきた理由;正規教員の採用数を決めることの難しさ ほか)
第5章 改善に向けてどのような政策が必要か(義務教育国庫負担金の負担率引き上げ;学校に配置する教員数の厳格化 ほか)

著者等紹介

佐藤明彦[サトウアキヒコ]
教育ジャーナリスト。1972年滋賀県出身。東北大学教育学部卒。大手出版社勤務を経てフリーの記者となり、2002年に編集プロダクション・株式会社コンテクストを設立。教育書の企画・編集に携わる傍ら、自身は教育分野の専門誌等に記事を寄稿。教員採用試験対策講座「ぷらすわん研修会」の事務局長。『月刊教員養成セミナー』元編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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kum

31
あまり知られていないが、今や2割ほどもいるという非正規教員。正規と同じ多忙な業務ゆえ教員採用試験の勉強もままならず、長年非正規のままである人も少なくないそう。学校現場の過重労働は昨今問題になっているが、非正規が増えゆく背景もその待遇の問題もまた根深い。民間企業もそうだが、経験や思いなど目に見えないものを軽視し、非正規だからと育成の視点も持たなければ、当然質は低下するし、結局誰のためにもならない。何かがおかしいのに、どこか見て見ぬふりをしているように思えることにモヤモヤした。2022/03/30

それいゆ

24
教員採用選考試験を受けるのは、現役学生と現在講師として学校に勤務している非正規教員だけではないはずです。筆者はそこのところを認識されているのか疑問に思います。確かに学校に勤務する講師が試験勉強に時間を割くことは、時間に余裕のある現役学生に比べれば不利でしょうが、教師以外の仕事についている企業に勤めながら教師を目指している人も、講師と同様時間の取れない中で試験勉強をしているはずです。平等な選考試験を行うのであれば、現役の講師の教員経験を優先することは差別だと私は思います。2023/08/19

読書は人生を明るく照らす灯り

13
📕読んだ理由📕教師の不祥事が無くならない中、教師の現場内情を知りたかったから 📘読んだ感想📘公立学校にテーマを絞り、非正規教師が2割いて、非正規教師は採用試験に合格していない人もいる。と知って驚愕した。 大学で採用試験をクリア出来ない学生が、働きながら採用試験に挑戦出来るのだが、様々なデメリットも多い。その犠牲者になりやすいのは、生徒である子供達。一刻も早い解決策が必要 📗読んだ後の行動📗非正規職員からの採用試験合格は、難易度が高いので、大学在学中に合格して欲しい!と声を上げたい2022/07/21

Mc6ρ助

12
『確かに近年は、こうしたさまざまな職種の人たちが、学校という職場でスポット的に働くようになった。文部科学省では、こうした人たちと学校教員が「チーム」となって、子供たちを育てていくようなイメージを示している・・。ここで一つ懸念されるのは、こうした職種が「食べていける職業」なのかどうかだ。 もし、「食べていけない職業」だとすれば、そこに真のプロフェッショナルが集い、専門性が高まっていくかどうかは疑わしい。(p082)』国民が食べていけるかは自己責任な令和の日本、使い捨てられているのは非正規教員だけではない。2022/08/05

templecity

11
非正規教員が増えているという。正規教員の試験に受からずに長年続けている教員もいる。結構な暗記物で授業をしながら7月の試験はしんどい。教えることに熱意を持って教員になっている人もいるためか、様々な雑事も行うことも多い。同一業務同一賃金の原則も、教育の場で金銭の話を持ち出すのは憚られるのか、文部科学省の官僚も施策はやりづらい。小泉改革の一貫で地方の教育予算の半分を国が持っていたのが3分の1に減らされた。(続きあり) 2022/04/02

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