内容説明
絵本によって揺さぶられ、ほぐされるこころの在りようを、心理臨床の視点から、ときにはひとりの親として読み解いていく。人生に豊かな気づきをもたらす絵本の世界へ。
目次
1 絵本の可能性(自分の視点、他者の視点;想像力が生み出すもの;こころは閉じている;「ゆとり」の効用)
2 子どものこころにふれる(すぐそこにある「不思議」;子どもとおばけ、親にとってのおばけ;万能感と好奇心の冒険;「きょうだい」という社会;おおいなるものとの交流)
3 人生を生きぬく力(ひとりぼっちの時間;ひとりを生きることと世代継承性;老年期の生きる力;喪失に向きあう)
4 傷ついたこころの回復(トラウマとレジリエンス;いじめ加害のこころ;怒りという感情)
5 「あたりまえ」とは何か?(問いかけることの意味;「らしさ」と多様性;アイデンティティとしての「色」;発達障害と生きること;父と子が通じあうとき)
著者等紹介
前川あさ美[マエカワアサミ]
東京女子大学現代教養学部心理・コミュニケーション学科心理学専攻教授。東京大学教育学部教育心理学科卒、同大学大学院教育心理学研究科博士後期課程単位取得退学
田中健夫[タナカタケオ]
東京女子大学現代教養学部心理・コミュニケーション学科心理学専攻教授。東北大学文学部社会学科心理学専攻卒、京都大学大学院臨床教育学専攻博士後期課程中退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おはなし会 芽ぶっく
11
初めていった街の図書館で、時間つぶしのつもりがすっかり夢中になってしまいました。地元や近郊にない本を読みあさりました(笑)時間が無く残念ず残念。心理臨床の立場からの解説は目から鱗でした。絵本の可能性はまだまだ深いです。2021/12/02
林克也
4
おこだでませんように かつてこれを読んだとき号泣してしまった。2020/11/14
はるさく
3
本の感想を読むのが好きなので、心理臨床の視点からの解説が面白かった。絵本は時間かからず読めるのに心に響いたり教えがあったりするから深い。読んでみたい本がたくさん増えた。個人的に、発達障がいだと明かさず発達障がいを書いている絵本が読みたい。2021/06/17
稲富遼太郎
3
子供向けの絵本なのに大人だって感動する、絵本ってそういうものが多い気がする。 5分ぐらいで読める分量なのに、2時間の映画と同じように泣ける。 シンプルかつダイレクトに心に訴えるものがある。 たくさんの絵本を紹介しつつ、それを深ぼりしていく。 なぜ心を揺さぶられるのか、どういうことが心の成長になるのかを丁寧に解説してくれる。2020/10/28